愛子さまがなられる可能性はゼロに近い
制度に欠陥がある以上、見直しが必要だと高森さんは続ける。
「側室制度の復活はあり得ず、少子化も進んでいる以上、男系男子のみ継承という部分を見直す必要があります。今の両陛下の間にお子さまがいらっしゃらないのであればともかく、お子さまがいらっしゃるというのに“女性だから継承はできない”というルールに、はたして妥当性があるのか疑問です。
男系男子の限定を解除した場合、現在の皇室典範に記されている直系の長子が優先的に皇位を継承するというルールにのっとって、継承者は愛子さまということになります」
宮内庁OBで皇室解説者の山下晋司さんは「愛子内親王殿下が天皇となる可能性はゼロといってもいい」と話す。
「現在、男系男子に限定されている皇位継承権を女性や女系にまで広げるといった案もありますが、仮にそれらが認められたとしても、適用されるのはその改正後に誕生された皇族からです。つまり、悠仁親王殿下が天皇となることは変わりません。
皇位継承制度は生身の人間が対象ですから、男系か女系かという問題ではなく、成長される過程で変えてはいけないのです」(山下さん、以下同)
この認識は世界的にも共通しているそうで、
「欧州で王位継承制度を改正しても、適用されるのは改正以降に生まれた王族からというのが原則です。愛子内親王殿下は天皇にならないことを前提に、悠仁親王殿下は天皇になることを前提にこれまで成長してこられたはずです。
誕生直後ならいざ知らず、成年皇族に改正した制度をすぐに適用するというのは世界的に見てもあり得ないことですし、やってはいけないことです。今すべきことは、悠仁親王殿下の次の皇位継承をどうするのかという議論です」
成年皇族として未来の天皇として、新たな一歩を踏み出された悠仁さま。それでもなお、『愛子天皇』を待望する声は依然として根強い─。