目次
Page 1
ー 睡眠は深さとリズムが重要
Page 2
ー 快眠グッズ選びのポイント
Page 3
ー パジャマにもこだわりを
Page 4
ー マットレスで寝返りサポート

 

「睡眠の質は、加齢によって低下します。特に中高年になると、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌量が減少し、深い睡眠がとりづらくなります。放置すれば身体の不調へとつながる可能性も。しかし、睡眠のポイントを押さえれば、改善は可能です」

 と話すのは、快眠セラピストの三橋美穂さん。

睡眠は深さとリズムが重要

 そもそも睡眠の質とはなんなのか?

「睡眠中は記憶の整理や定着を行うレム睡眠と、脳や身体の疲労回復を行うノンレム睡眠を繰り返して、心身のさまざまな機能を整えています。ノンレム睡眠には深さが3段階あり、最も深いノンレム睡眠を深睡眠と呼びます。この深睡眠は眠りの初めに多く訪れ、大脳を休息させます。その後、徐々に浅いノンレム睡眠が多い時間帯へ移行し、眠りの中盤で身体の休息、明け方に多いレム睡眠で心の休息が行われます。つまり睡眠の質は深さだけでなく、こうした理想的な睡眠リズムを保つことが大切なのです」(三橋さん、以下同)

 ところが60歳を過ぎると、加齢の影響でどうしても深睡眠の時間そのものが減ってくる。

年をとると脳の機能が低下して自律神経の切り替えが乱れたり、メラトニンの分泌が低下したりして深睡眠が訪れにくくなります。また女性は更年期障害によって自律神経が乱れ、睡眠の質が低下することも

 こうした低下に伴い、細胞の修復を促す成長ホルモンの分泌も滞って、細胞がダメージを受けてしまう。

「成長ホルモンは睡眠の序盤に訪れる深睡眠で分泌され、その後時間をかけて全身に巡ります。睡眠不足になると高血圧、糖尿病、うつ、認知症などの病気のリスクを高めます。脳機能や集中力、記憶力の低下、疲労感を招き、イライラや不安感の増加、幸福感の低下といった精神面での弊害も引き起こしてしまうんです」

 ほかにも、食欲を増進させるホルモンであるグレリンの分泌が増え、肥満のリスクも高めてしまうという。