「帰ってきてほしい」眞子さんへのご本心

 国の動向を静かに見守るというお立場に、「歯がゆい思いを抱えられることもあるのでは」と、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院人文学研究科の河西秀哉准教授は次のように話す。

「おふたりは国民と苦楽を共にすることを常に意識し、災害などで苦難を強いられている地域があれば駆けつけたり、会見や文書などでお見舞いの意を表したりと、国民に寄り添う姿勢を貫かれました。退位後はそうしたことがパタッとできなくなってしまうわけです。

 特にご自分のお言葉を国民に届けることができなくなった点は、1つの心残りとして胸に秘めていらっしゃるのでは。ですから、お誕生日の際に宮内庁が公表する“ご近況”に、できるだけのメッセージを忍ばせていらっしゃると拝察いたします」

初孫である眞子さんに深い愛情を注がれてきた美智子さま
初孫である眞子さんに深い愛情を注がれてきた美智子さま
【写真】初孫である眞子さんへ思いを寄せる美智子さま

 美智子さまは、皇后という立場による深い苦悩も経験された。それは、今は遠い異国に住む孫娘についてだ。

「美智子さまは初孫である眞子さんに目をかけ、深い愛情を注いでこられました。眞子さんについての歌を詠まれたり、絵本の読み聞かせをされたことも。そんな愛孫が小室圭さんとの結婚を巡り国民から批判を受けた当時、美智子さまは皇后というお立場もあり、公に祝福の声明を出すことはできませんでした。

 眞子さんは結婚後、アメリカへと渡り、第1子を出産した今も一度も帰国していません。眞子さんがつらいときに、かばうことができなかったことを今も2つ目の心残りとして抱えていらっしゃるのでは」(前出・皇室担当記者)

 眞子さんを巡る美智子さまの思いについて、前出の河西准教授はこう語る。

「今年9月、紀子さまがお誕生日に際して公表された文書には、小室夫妻と第1子について“よいタイミングで日本を訪れてくれたら”と綴られていました。これは“眞子さんの顔を見たい”と願う上皇ご夫妻のお気持ちも酌まれた上でのお言葉だったのではないでしょうか」

 眞子さんは結婚をして皇籍を離脱。ほかの3人のお孫さま方全員も成年に達し、ご家族の形は少しずつ変化している。そんな中で美智子さまに不変の思い出として刻まれているのが葉山での日々だ。

「ご夫妻は冬から春先にかけて、神奈川県の葉山で静養することを恒例とされています。お子さま方やお孫さま方が幼いときは、ご一緒に滞在し、海岸を散策したり和船に乗られたり、たくさんの思い出を紡がれました。そんな葉山に今年の5月、3年ぶりに滞在されるご予定でしたが……」(前出・皇室担当記者)