3つ目の心残り
直前に上皇さまが体調を崩され、予定は急きょ取りやめに。美智子さまにとって3つ目の心残りとなったのではと河西准教授は言う。
「中止は仕方ないと言わざるを得ません。それでも美智子さまは心の片隅で残念に思われたのではないでしょうか。ただ、再度日程を組むにも難しい事情があります。
というのも、今年は天皇ご一家が那須や須崎で複数回、静養されたのですが、これに対して“多すぎる”という批判の声が上がったのです。ご静養は大事なことですが、こうした状況下でご夫妻がお出かけになると、さらなる批判を受けるかもしれません」(河西准教授)
202年ぶりの生前退位という事象の中での美智子さまの葛藤は計り知れない。
「いずれにしても、国民の幸せと両陛下のご活躍、そしてご家族の平穏。この3点すべてを心から大切になさっている美智子さまだからこそ、さまざまな“心残り”を抱かれているのではないでしょうか」(前出・皇室担当記者)
美智子さまの胸に秘められた3つの心残り。少しでも和らぐ日が来ることを願いたい。
河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数