人間関係を円滑にする、7つのテンプレート別「言い返し」
パワハラ、モラハラ言動に対して有効な「言い返し」を7つの分類に分けて紹介。「基本承認」は、どんな場面でも使える有効な言い返しなので、何も思い浮かばないときに便利。ほかのテンプレートは状況に応じて使いこなそう。
(1)基本承認
相手の言ったことをそのまま返し、自分の感情を見せないようにすると、相手はそれ以上の追及がむずかしくなる。
(例)
相手「おまえがそんなだから、イライラするんだよ」
自分「うん、そうだね。私がいるとイライラするよね」
相手「何、笑ってんだ。バカにしているのか!」
自分「バカにしてないよ。そのとおりだと思っただけだよ」
(2)説明責任追及
間髪入れずに問いかけることで、感情的な罵倒を論理的な議論にすり替える。感情のぶつけ合いに発展させず、冷静に対応し続けることで、「この相手に感情論は通じない」と思わせる。
(例)
相手「役立たずだな」
自分「それってどういう意味? 具体的に教えてくれる?」
(3)リフレーム
相手の言葉の「枠組み(フレーム)」を都合よく変え、ネガティブな言葉をポジティブな意味に変えて言い返す。相手は「何を言っても動じない、めんどくさい人」と感じるようになる。
(例)
相手「おまえは本当に要領が悪いな」
自分「うん、要領悪いかも。でも、要領が悪いから問題点や改善点を見つけられるよ」
(4)ヘルプ&ティーチミー
相手の攻撃に対して助けや教えを求めることで、相手を「攻撃者」から「アドバイザー」へと転換させる。相手は自分が優位な立場にあると再確認し、気分が良くなり、攻撃する意欲がそがれる。
(例)
相手「なんで、そんなこともできないんだ」
自分「ごめん、本当に困ってるの。どうしたらうまくできるようになるか、教えてくれない?」
(5)比較
相手の言葉の根拠を「誰と比べて?」「いつと比べて?」などと問い詰めることで、無用な非難をかわす。相手は比較の基準を明確にする必要に迫られ、それ以上の追及がむずかしくなる。
(例)
相手「最近、太ったな」
自分「え? いつと比べて?」
(6)ツンデレ
相手の攻撃的な言葉に対して、挑発的な言葉を冷静に投げかけて相手を戸惑わせる。相手は説明する責任が生じるため、めんどうになり、攻撃を控えるようになる。
(例)
相手「この家事のやり方、だらしないな」
自分「うん、だらしないかもね。それが何か?」
(7)再定義
相手の曖昧で抽象的な言葉を具体的に再定義するように要求する。何を求めているか明確でない場合、それ以上、追及しなくなる。相手が逆ギレしても、あくまでも冷静に対応するのがポイント。
(例)
相手「もっと普通にやってくれよ」
自分「“普通”ってどういう意味? どうしたらいいの?」
教えてくれたのは…司 拓也さん モラハラ、パワハラに対抗する話し方に関するセミナーを開催。『「言いにくいこと」をうまく伝える』(フォレスト出版)『信頼される人の話し方、軽く見られる人の話し方』(KADOKAWA)ほか著書16冊。累計21万部。
取材・文/佐久間真弓












