いろいろな食品から少しずつ
ただ、すべての疲れに効果があるとはいえないそう。
「『疲れ』といっても原因はいろいろ。運動した後の疲れには、クエン酸がダイレクトに働くので筋肉疲労の回復に役立ちます。女性では貧血の方も多いので、鉄剤と一緒に処方すると貧血からくるだるさや倦怠感の軽減効果は期待できます。ただ、メンタルからくる疲労感や、病的な疲れには効果はないと考えます」
とはいえ、更年期やシニア女性にはメリットが多い。
「女性ホルモンに直接効くわけではありませんが、疲れやすくなったり、睡眠不足になりやすい更年期には活力のサポートになります。また、骨粗しょう症のリスクが高いシニア女性には、カルシウムの吸収をよくし、体内のカルシウムが溶け出すのを妨げる効果があるので日常的に摂取するといいでしょう」
さらに、生活習慣病が気になる人にも朗報が。ロングセラー商品「ポッカレモン100」を毎日約30ml、12週間摂取したところ、高めの血圧(収縮期血圧)が下がったという研究結果が発表された。
「ラットにクエン酸を投与した実験でも、血管が広がる作用が確認されており、血圧を下げる効果は期待できます。しかし、レモン果汁にはポリフェノールなど血圧に作用するほかの成分も含まれているので、まだエビデンスは十分ではないと考えています」
では、クエン酸はどのようにとるのがいいのだろう。
「クエン酸だけを摂取したいならサプリメントが確実ですが、食品のほうがクエン酸以外の栄養素も一緒にとれるので、1つに偏らずにいろいろな食品から少しずつとるのが望ましいです」
特にサプリメントの場合は、とりすぎに注意。
「クエン酸は安全性の高い食品とはいえ『酸』なので、過剰摂取は歯のエナメル質を溶かします。酸っぱいので胃もたれも起こしやすい。胃が弱い方は空腹時は避けるのが無難。そしてやりがちで気をつけたいのが、薬の飲み合わせ。胃薬によく含まれているアルミニウムが、キレート作用によって吸収されすぎてしまうと、毒性が出る可能性が。サプリを飲んでいる場合は医師に申告しましょう」











