頭の筋肉の緊張をほぐして、脳をリラックス

「首や肩のコリは、脳の健康を支えている<脳への血流>をてきめんに悪化させます。特に筋肉の緊張状態が続くと、頭痛に直結します。首や肩の緊張をゆるめるには、まず“スマホ首”とも呼ばれるストレートネックを解消することが最優先です」

アイーン体操

 首の筋肉をゆるめてスマホ首解消

 背筋を伸ばし、両手を頭の後ろで組み、頭を前に押し出すようにしながら、あごを上げて前に突き出す。その状態で10秒ほどキープする。

※首の筋肉をリラックスさせ、頸椎がカーブしていることを意識する。

<効果>首や頸椎のまわりの筋肉をゆるめて脳への血流をよくする。

<こんなときに>デスクワークや家事の合間や、頭痛が起こりそうなときや、痛みはじめに。

●首の筋肉をリラックスさせる。
●気道が開くのを意識する。
●肩に力を入れすぎない。

頭蓋骨ストレッチ(頭頂部)

 呼吸を整えながら行うのがコツ

頭蓋骨ストレッチ(頭頂部)
頭蓋骨ストレッチ(頭頂部)

 頭頂部の縫合線の両側に、親指以外の4本の指をあて、それぞれ中心から外側へ縫合線を開くように、10秒くらいかけてじわじわと動かす。

※ゆっくりと呼吸をしながら、リラックスして行う。

<効果>頭頂部の緊張をゆるめて、副交感神経を優位にする。
<こんなときに>デスクワークや家事の合間、頭痛が起きそうなときや、痛み始めに。
●縫合線を外側へ開くイメージで
●ゆっくりと呼吸をしながら

 以上が、石川先生がおすすめする「骨盤から全身の血流をよくする脳習慣の一例。ぜひ今日からとり入れてみてほしい。

 これまで開頭手術やMRIの画像診断などを含め、1万人以上の脳を診断し、多いときは年間約300件、現在でも2日に1回、年間150件ほどの手術を担当している石川先生が、実際に診察室で患者にアドバイスし、自身も実践中の「100歳まで冴える脳のメンテナンス法」が満載の書籍がこちら。

『1万人を診た脳の名医が実践100歳まで冴える脳習慣10』石川久著 定価1650円(本体1500円+税)主婦と生活社刊

1万人を診た脳の名医が実践 100歳まで冴える脳習慣10』石川 久著 定価1650円(本体1500円+税)主婦と生活社刊

 記憶力、集中力、思考力が落ちたと感じたら始めどき。もの忘れ、認知症、脳卒中、脳動脈瘤を防ぐ全身管理術を収録。

●加齢でもの忘れが増えるのは、集中力の低下のせい。「記憶の網」をきめ細かく維持することがコツ。
●ひたすら受け身状態の「スマホ漬け」に注意。自分なりの意見をアウトプットして、思考力を衰えさせず、五感を研ぎ澄ます創作活動を。
●「聴覚」と「嗅覚」は、認知症との関連大。耳と鼻をケアして、認知機能低下を防ぐ
●頭痛は、自己判断せず受診して原因を見極めて。くも膜下出血、脳卒中、脳腫瘍など「危険な頭痛」の場合あり。
●脳卒中に「様子を見よう」は厳禁。特効薬のリミットは4時間半。一過性でも念のため病院へ。

【石川先生からのメッセージ】
 患者さんの脳をCTやMRIで画像診断すると、50代くらいから、症状に出ない小さな脳梗塞がぽつぽつとあったり、血流が悪い箇所があったりする人が増えてきます。それはイコール認知症や脳梗塞のリスクが高い状態です。
 また、同じような手術をしても、回復が早い人もいれば、時間がかかる人もいます。脳という特殊な臓器について知り、メンテナンスをしていけば、脳の血流を促して機能を維持できるだけでなく、たとえ病気になっても、それを乗り越える基礎になる体を作ることができるでしょう。
 そんな脳神経外科医からみた、脳のメンテナンス法を一冊にまとめました。無理なく、忙しい方でも時間をかけずにできることばかりですので、どうぞ今日から日常生活に取り入れてみてください。

オペ中の石川先生
オペ中の石川先生
石川久先生●脳神経外科医。開頭手術やMRIの画像診断などを含め、1万人以上の脳を診てきた“脳の名医”。学習院大学法学部を卒業後、製薬会社に入社。その後退職し、近畿大学医学部に入学・卒業した異色の経歴の持ち主。帝京大学医学部脳神経外科、脳神経センター大田記念病院などを経て、現在は国際医療福祉大学三田病院脳神経外科に勤務。特に脳腫瘍に関しては、検査・診断から、手術・化学療法・放射線療法・電場療法などの多岐にわたる治療法まで、あらゆる手段を駆使して、患者の日常生活・社会活動像の構築に最善を尽くす。救急医として、救急医療及び全身管理を専門とし、院内教育や市民講習などでも貢献。
石川久先生●脳神経外科医。開頭手術やMRIの画像診断などを含め、1万人以上の脳を診てきた“脳の名医”。学習院大学法学部を卒業後、製薬会社に入社。その後退職し、近畿大学医学部に入学・卒業した異色の経歴の持ち主。帝京大学医学部脳神経外科、脳神経センター大田記念病院などを経て、現在は国際医療福祉大学三田病院脳神経外科に勤務。特に脳腫瘍に関しては、検査・診断から、手術・化学療法・放射線療法・電場療法などの多岐にわたる治療法まで、あらゆる手段を駆使して、患者の日常生活・社会活動像の構築に最善を尽くす。救急医として、救急医療及び全身管理を専門とし、院内教育や市民講習などでも貢献。

石川 久先生●脳神経外科医。 開頭手術やMRIの画像診断などを含め、1万人以上の脳を診てきた“脳の名医”。学習院大学法学部を卒業後、製薬会社に入社。その後退職し、近畿大学医学部に入学・卒業した異色の経歴の持ち主。帝京大学医学部脳神経外科、脳神経センター大田記念病院などを経て、現在は国際医療福祉大学三田病院脳神経外科に勤務。特に脳腫瘍に関しては、検査・診断から、手術・化学療法・放射線療法・電場療法などの多岐にわたる治療法まで、あらゆる手段を駆使して、患者の日常生活・社会活動像の構築に最善を尽くす。救急医として、救急医療及び全身管理を専門とし、院内教育や市民講習などでも貢献。 ベストセラー『1日1問解くだけで脳がぐんぐん冴えてくるドクターズドリル』(アスコム)の著者であり、2024年に放映されたドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」の医療監修を務めた


撮影/有坂政晴 イラスト/斉藤ヨーコ