「骨盤を後傾したまま立つと、太ももの後ろが常に緊張状態になり、ふくらはぎの血流が悪化、こむら返りが起こりやすくなります。骨盤を立てるイメージがわきにくいようなら、胸を前に出し、頭の真上から糸で吊られるような感覚で立ってみてください。

 こうして肋骨を引き上げるように歩くと、姿勢が自然に整い、ふくらはぎを正しく使えるようになります。その結果、血流が改善し、筋肉への酸素供給もスムーズになって、こむら返りの予防につながります」

 1日30分、いつもより歩幅を大きめにして運動量を上げて歩くことを習慣づけられたら理想的だそう。

 毎日歩くのが難しい人には北城先生考案の「こむら返りリセット法」がおすすめ。30秒程度の曲げ伸ばしで足首をやわらかくし、ふくらはぎだけでなく全身の血流がアップし、こむら返りの予防に。空いた時間にこまめに実践しよう。

突然の痛みにはかかとプッシュ

 急に足がつってしまった場合は、どうする?

慌てて患部をもむのは逆効果。ますます血行が圧迫されて痛みが増します。かかととふくらはぎはつながっているので、かかとを刺激することでふくらはぎの筋肉の過収縮がおさまります

 床に座り、かかとを押し込むようにして、つった足の甲をすねの方向に曲げる。そしてリラックスできるよう呼吸を落ち着かせていると、痛みが和らいでいく。

 こむら返り対策には食事も重要。カルシウムやマグネシウムといったミネラルの補給はもちろん、筋肉をつくるタンパク質を毎日しっかりとることが望ましい。納豆や豆腐、ツナ缶、ヨーグルトなど手軽なものを毎食1品付け足すイメージでOK。

「こむら返り対策は、すなわち血流対策。血の巡りがよくなると、健康寿命も延ばせるので、ぜひ継続してください」

水分とミネラル補給に最適!冬もおすすめは「麦茶」
「脱水」も、こむら返りを起こす大きな要因のひとつ。冬でも就寝中にはひと晩でコップ1杯分の発汗をするので、寝る前には必ずコップ1杯の水を。ただしカフェイン入りのお茶やコーヒーは利尿作用で脱水が加速し、夜間のトイレ回数も増えて睡眠の質を落とすので×。「水分とミネラルが同時にとれる麦茶がおすすめ」(北城先生)