目次
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ー 身体のせいであり“気持ちの問題”ではない
Page 2
ー ゲーム感覚で膣圧を上げていくのもおすすめ
Page 3
ー 改善しなければクリニックの利用も

 閉経後、「痛い」「乾く」「恥ずかしい」を理由に、性を遠ざけてしまう女性は少なくない。しかし専門医は、年齢とともに変わる身体を正しく知れば、快適さも快感も取り戻せると語る。乾燥・尿漏れ・性交痛……悩みを抱える50代以降の女性が、もう一度“自分らしさ”を取り戻せるヒント、参考に。

身体のせいであり“気持ちの問題”ではない

更年期あたりから、以前のようにセックスを楽しめなくなっている方が多いようです。性交痛、尿漏れ、乾きやすさなど誰にも打ち明けられない悩みが積み重なり、このままでいいのかなと落ち込む女性は少なくありません

 そう話すのは女性器のケアに詳しい櫻井夏子医師

「パートナーに合わせたいのに痛くてつらい」「触れ合いたい気持ちはあるのに身体がついてこない」といった悩みの背景には“更年期の身体で起きている変化を知らないまま我慢してしまう”状況があるという。

 更年期に入ると、ホルモンバランスが崩れ、乳がんのリスクや自律神経の乱れ、骨密度低下などが起きる。全身の不調が出やすくなるのと同時に、もっとも早く影響を受けるのがデリケートゾーン。

 膣はしぼんで粘膜は薄くなり、大陰唇のボリュームが落ちる。豊かだった膣のヒダはつるんと平らになり、乾燥しやすい。下着がこすれるだけで不快感が走り、タイツが「痛い」と感じる人もいる。

こうした変化は、セックスの場面で大きく影響します。少し触れられただけでヒリッと痛み、挿入時には裂けるような感覚が走ることも。こんなはずじゃない、年だから仕方ないなどと自分を責めてしまう方がいますが、それは身体のせいであり、決して“気持ちの問題”ではありません」(櫻井医師、以下同)

 一方、長年セックスから遠ざかっている場合、悩みはさらに気づきにくくなる。膣や骨盤底筋を動かす機会がなくなれば血流が落ち、萎縮が進む。運動習慣のない人や出産経験が複数ある人は骨盤底筋が弱りやすく、放置すれば子宮脱にまで至るケースもあるとか。

セックスの有無にかかわらず、スキンシップによって分泌されるホルモンの“オキシトシン”は心身を整える力を持つため、触れ合いを諦めることは生活の質そのものを下げてしまうとされています