そう言ってグラビア界のレジェンドはうれしそうに微笑む。今の写真集では、撮られる側もどんな表情をすればカメラマンがシャッターを押すのかわかってポーズをとる。でもデビューしたばかりの美穂さんはそんなことなどおかまいなし。
「可愛いでは片づけられない強さを持っているし、カメラに対して目を武器にして挑んでくる。何と言ってもシャッターを押したくなるような笑顔が魅力的で、笑い声が聞こえてくるような写真が多い。僕にとっても、特別な写真集になりました」
撮影の最終日。渡辺カメラマンからの提案で、
「せっかくだからもっと撮りたい」
そうリクエストされ、最終日はオフになる予定をキャンセル。美穂さんはちょっとしょげていたことを山中氏は覚えている。だがそのかいあってか写真集は20万部近く売れるベストセラーに。今は絶版となり、ファンの間ではお宝写真集と呼ばれている。
デビュー曲に立ちはだかった大問題
ドラマが社会現象になるほどヒットすると、多くのレコード会社から歌手デビューのオファーが舞い込んだ。
デビュー曲は、作詞・松本隆氏、作曲・筒美京平氏のゴールデンコンビによる『C』。しかしこのデビュー曲誕生を巡っては当時、大きな問題が立ちはだかった。
「当初ある大物作曲家に曲作りを依頼したのですが、上がってきた楽曲を何度聴いても、テンポとイメージが違う。美穂に聴かせても“うーん”と首をひねっていました。レコード会社にかけ合って作り直してもらったのが、『C』なんです」(山中氏、以下同)
希代のヒットメーカーの筒美京平氏に、わずか1週間で新しい曲を書き上げてもらいデビューに間に合わせることができた。
「もし納得いかないままデビューしていたら、その後の『レコード大賞 最優秀新人賞』はもちろんのこと、歌姫・中山美穂も誕生していなかったかもしれません」











