「あの時代でも完全アウト」な表現

「令和の厳しいコンプラの状況で『あの時代でも完全アウト』と評される本作のアニメ化決定の知らせにファンも驚いているようです。単なるリバイバルブームではなく、この作品が持つ普遍的な面白さと、今の時代だからこそ受け入れられる過激さのバランスが、ようやく実現可能になったということではないでしょうか」(コミック編集部ライター)

 ファンの間で最も気になっているのが、原作の過激な描写がどこまでアニメで再現されるかという点だ。鳩の首を切って血を集める「鳩の血のデザート」、犬肉を使った「中華陰陽鍋」、審査員を幻覚状態にするキノコ料理など、現代の放送基準では難しいと思われるシーンも多い。

 あおき監督は「作品を面白くする大事な要素なわけですから、そこは頑張りたいですよね。実際の放送時にどうなるかは僕もまだわからないんですけど、とにかく現場としては最善を尽くす姿勢で取り組んでいます」と映像表現に前向きな考えのようだ。

 連載から30年を経て、ようやく実現した初のアニメ化。『食戟のソーマ』で料理バトルに触れた若い世代と、リアルタイムで連載を追っていた世代、そして料理漫画ファン全体を巻き込む大きなムーブメントとなりそうだ─―。