そんな和泉さんには“相棒”もいたという。
「マークン山荘近くの小屋に“サラヒメ”という名前の牝馬を飼っていまして。和泉さんが東京に帰っている間は私がお世話をしていましたが、士別にいる間は彼女が毎日、エサをあげたりブラッシングをしたりと可愛がっていました。サラヒメも和泉さんにすごく懐いていたんです」(前出の住民男性)
和泉さんに会いたそうなサラヒメ
長年、士別での生活を楽しんでいた和泉さんだが、2020年からのコロナ禍で一時期は通うのが難しくなる。
「士別に来られない時期もサラヒメのことを気にかけていました。コロナが収束して再び士別に通えるようになったのに……。この子が元気なうちは私が世話を続けるつもりです。今でも、時折、和泉さんに会いたそうに佇んでいて、見ていて切ないですよ」
主人の帰りを待ち続けているのはマークン山荘も同じ。
「コロナ明けから和泉さん自らマークン山荘の屋根や外壁のペンキを塗り直すなど修理をして、新築のようにキレイにしたばかりでした。住み続けたかったんでしょうね。今後の山荘の管理は、ご遺族の意向もあると思いますし、どうなるか私もわかりません。
この山荘で和泉さんは多くの人を招いて食事会とか開いた、いわば憩いの場でしたから、残し続けてほしいです」
士別の風景は、和泉さんの帰りを今も待っている─。











