セルフケアでお悩みが解消しないなら、専門医に相談を。

腟のかゆみや痛み、ニオイがある場合は、細菌に感染して炎症が起き、腟炎になっている可能性も。腟炎の治療は保険適用ですし、腟内に入れるホルモン剤や漢方薬、ワセリンなどの保湿剤を処方してもらえます

『人生が豊かになった』という声も

 性交痛などセックスのお悩みを相談するなら、まずはかかりつけの婦人科、もしくは女性泌尿器科がおすすめだ。

ただの泌尿器科だと女性の性機能回復の治療はしていない場合もあるので、“女性”に特化しているところを選びましょう。専門医に相談して原因を特定し、適切な治療やケアを受けることが大切

閉経以降“性の健康”のためにできること
閉経以降“性の健康”のためにできること
【写真】閉経した女性は必見! 性の健康のためにできること4条

 もっと根本的に腟内の若返りを図りたいなら、自由診療に頼るのも手だ。

腟壁にヒアルロン酸を注入したり、レーザー治療といった選択肢もあります。個人差はありますが、例えばレーザーなら月1回の照射を3か月ほど継続すると、スムーズにセックスができるようになったケースも。費用はかかりますが、治療を受けて性生活を取り戻した患者さんからは『人生が豊かになった』という声が多く聞かれます

 実際にセックスを再開するとなった際にも、ミドル世代ならではの意識すべきポイントがある。

「ミドル・シニア世代の男性は勃起力が低下しがち。男性側がやわらかいままでは挿入しづらく、女性の苦痛が増してしまうので、手や道具などでサポートしてあげる優しさは必要です。

 また、途中で苦痛や痛みが出てきた場合に『もう無理』というときの合言葉を決めておくのも大事。『イヤ』だけでは、男性側も中断してほしいという意味なのか、測りかねるようです

 市販のアイテムを活用するのも有効。

潤滑剤はあったほうがいい。最近は温めて使うタイプもあり、ヒヤッとするのが嫌な方にも使いやすいでしょう

 さらに大切なのがセックスに臨む姿勢。

受け身のままでは、前述のようなメリットは享受できません。『早く終わらないかな』など上の空ではなく、感覚に集中することが大切。どこが気持ちいいのか、どうしたら気持ちよくしてあげられるかと考えながら臨めば、脳の活性化にもなり、よりよいセックスができると思います

 そのためにも自分と相手へのリスペクトを忘れずに。

「ミドル世代でセックスを卒業される方の中には、若いころ経験した奉仕的なセックスや、男性側の一方的なセックスなど、よくない思い出が根底にある場合も。

 本当はセックスしたい思いがどこかにあるのに、それがブレーキになっているのだとしたら、方法や相手が違えば、よい体験で上書きできる可能性があります。そう考えると、単に年齢を理由に『引退』と自分で自分に幕を引くのはもったいない気もします

取材・文/遊佐信子

二宮典子先生 女性泌尿器科・性機能専門医。医療法人心鹿会理事長。「女性性機能外来」を設け、更年期女性の性の悩みに寄り添う。フェムケアやセックスレス問題にも詳しい。