排便障害についても赤裸々に告白

 食事も今までどおりにはいかない。消化のよいもの、腸によいものを意識しないと腸が“大フィーバー”してしまうことに。

「今はうどんとおかゆが中心です。冷たいものを食べると便が止まらなくなるので、大好きなガリガリ君は我慢しています。腸にいいといわれるヨーグルトは食べる1時間前ぐらいに冷蔵庫から出して常温に。納豆など発酵食品もとるようにしています。

 外出前は断食しないと、トイレを探して大変なことになるので、排便を抑える薬を飲みながら、子どもたちとのお出かけも楽しむようにしています」

 排便障害の大変さを赤裸々にインスタグラムで発信しているが、発信を続けるのには理由があった。

「私はまだ44歳で、がんになるはずはないと思っていたのに、ある日突然がんになって、人生がガラリと変わりました。皆さんも若いからと過信せず、早期発見のために検査に行ってほしいという思いがあります」

 これまではグラビアによる男性ファンが多かった歩さんだが、がんを公表したことで同じ病気の人たちからのアクセスが増えた。

「がんの方がコメントをくださったり、DMが入るようになりました。励ましのお言葉もたくさんいただき、ありがたいですね」

 がんになったことで人生観も大きく変わった。

人生は終わりが来るんだ、ある日突然病気になって亡くなる可能性もあるのだと、身をもって気づきました。今までは忙しいから、疲れているからと後回しにしていたことを『今この瞬間にやらないでいつやるんだ』と思うようになり、排便障害があっても子どもたちをいろんなところに連れていっています。

 いつ自分が死んでしまうかわからないから、今日できることは今日やらないといけない。後悔しないよう、やりたいことを全部やってから死にたいと思うようになりました」

 排便障害は2年ほど続くといわれ、まだ不自由な生活だが、症状が改善したら、また旅に出たいという歩さん。

「私の代表作である『ブラを捨て旅に出よう 貧乏乙女の“世界一周”旅行記』の続編を書いていましたが、病気で中断している状況です。後遺症が落ち着いたらもう一回旅に出て、本の続きを書くことが今の目標です。

 ただ、排便障害がずっと治らない可能性もあり、そうなると旅先で常にトイレを探さなければなりません。世界のトイレ情報をリポートする『トイレを探して旅に出よう』という本もいいかもしれませんね」

 がんになっても前を向いてたくましく生きている歩さんの姿に勇気をもらっている人は多いはずだ。病気を克服した後の、旅行記の続編を楽しみに待ちたい。

あゆみ・りえこ 1981年生まれ、東京都出身。清泉女子大学文学部卒業。これまで一人旅をした国は南極を除く、五大陸世界98か国。旅行記『ブラを捨て旅に出よう 貧乏乙女の“世界一周”旅行記』(講談社文庫)はベストセラーに。40歳のときに写真集『スフィア』を発売。3人の子を持つシングルマザーでもあり、旅行作家、旅コメンテーター、タレント、グラビアモデルとしてボーダーレスに活躍している。2025年に大腸がんを公表し、闘病の様子をインスタグラムで綴っている。

<取材・文/紀和 静>