「家族になろう」平気でついた嘘

ケース1
自宅に招かれ男女の関係に。性病をうつされても信じたかった婚活女性

 40代の派遣社員で都内在住の優美さん(仮名)は、2022年に真剣交際を目的とした有料の婚活マッチングアプリに登録した。同年5月に女性向けヘルスケアサービス会社の社員で、当時45歳の木村(仮名)と出会う。

 1か月のやりとり後、木村と初めて会った。第一印象は誠実そうな人。2回目のデートで「交際しよう」と告白される。だが優美さんは本当に独身者なのか、それを確かめるため、「自宅に行きたい」と、木村に頼んだ。

 すると、「大学院生の腹違いの妹と住んでいる」と話しながら、3回目のデートで港区にある共同住宅の2LDKに優美さんを招いた。冷蔵庫にはコンビニのサラダとフルーツのみ。家の中をくまなくチェックしたが、家庭的な雰囲気がまるでなかった。優美さんは木村を信用し、その夜、初めて男女の関係になったのだが─。

「しばらくセックスしていないから家にコンドームがない」

 と言い訳しつつ「君との間に子どもが欲しいから避妊具なしでやりませんか」と、木村は結婚をほのめかしてきた。これまで避妊具なしで行為をしたことがなかったため、優美さんは躊躇したものの“結婚”という言葉に説き伏せられるように、木村を受け入れてしまった。

優美さんと木村のデート中のカット。幸せそうな雰囲気だが、ウソで塗り固められていたとは……
優美さんと木村のデート中のカット。幸せそうな雰囲気だが、ウソで塗り固められていたとは……
【写真】どんな気持ちで言ってたの…嘘を重ね心を踏みにじったやり取り

 そうしてデートを重ねたある日、生理が遅れたので検査を受けた優美さん。結果は陰性だったが木村は、「子どもができたら家族になろう」と、優しく声をかけてくれた。

 ところが交際2か月後に異変が起こる。トイレに行くと普段感じたことのない腟の痛みを感じた。婦人科で検査をすると、クラミジアの陽性判定が。優美さんはショックを受けたが、そのころ木村とは音信不通になっていた。

「赤ちゃんができていたら」なんてどんな気持ちで木村が言っていたかわからないと、優美さん
「赤ちゃんができていたら」なんてどんな気持ちで木村が言っていたかわからないと、優美さん

「性病の検査の前に卵巣嚢腫が見つかり、不安だから病院についてきてほしいと連絡したが、返信がなかった。しかしLINEはブロックはされていなかったので、優美さんは彼からの返信を待ちました」(マイコさん)

 2023年4月、8か月ぶりに木村と再会した優美さんが性病に感染したことを伝えると、

「ごめん、すぐに治療代を振り込む。性病は心当たりがあるとしたら、20代当時の上司と関係を持ったときのものかもしれない」

 その後、治療代が振り込まれることはなく、請求しても「体調不良が続いて、入院している」と言い訳をするばかり。さすがに木村の言動を不審に思った優美さんが弁護士に相談。任意交渉依頼をして戸籍謄本を取ると、木村は既婚者であることが判明した。その後、連絡を無視する木村に対し民事訴訟を起こす。

 2025年3月に訴状を提出、木村は裁判においても欠席を繰り返し、7月に木村に330万円を請求する判決が下されたが、木村はまたもや無視し、謝罪もなかった。

「優美さんの担当弁護士は、木村の言い訳である“体調不良”を信じ、勝手に支払いの先延ばし要求をのもうとしていました。そこで優美さんが同年10月末に地裁に強制執行の申し立てをすると、その数日後に全額が振り込まれたそうです。でも優美さんの心はズタズタ。深刻な男性不信に陥っています」(マイコさん)