独身偽装をする男性の特徴

 サクラさんの自宅に、知らない女性が訪ねてきた。その女性は初対面なのにサクラさんを名前で呼び、彼女が斎藤と一緒に写った写真を見せながら、この男が結婚しているのを知っているのか、と聞いてきた。

 女性は斎藤の義母だった。彼の行動がおかしいと、探偵を雇って調査した結果、斎藤が不倫している証拠を手にして、サクラさんに話を聞きにきたのだ。

 事の成り行きを知った義母は、義父とサクラさんの3人で斎藤の自宅へ。そのスリーショットを見た斎藤は驚きつつも、開き直ったという。

 サクラさん、斎藤、両方の家族が集まった場で斎藤は、

「再婚活者限定のアプリに登録したのは、本当に離婚したいと思っていて、次の相手を探すため」
「今までで、サクラさんがいちばん好きだった。性欲処理というつもりはなかった」

 など、自己中心的な言葉を並べるだけ。斎藤の妻や義母は、サクラさんもだまされていたことを知ると、「やっぱり」という反応だった。周囲から非難の言葉が降り注ぐ中、サクラさんに向けた最後の言葉は、

「もう、僕は終わりでいいです」

 の、ひと言だったという。サクラさんは斎藤と過ごした日々について、

「35歳までに、子どもが欲しいという夢はもう叶いません。それ以上に、息子にも心の傷を負わせたことが何よりもつらいです。彼の今後の人生にも影響しかねません。絶対に許せることではないです」

 と、振り返る。独身と偽ることで結果、一人の女性の人生を狂わせてしまう「独身偽装」。軽い気持ちでウソをつきました、で許されるものではない。

 サクラさんのその後を、マイコさんがこう続ける。

「サクラさんは2024年10月から示談交渉をしていたのですが、結局まとまりませんでした。300万円の慰謝料を請求したのですが、交渉の中で125万円まで減らされ、示談の条件として斎藤の奥さんからの慰謝料請求があった場合は、斎藤が払うということに。

 しかし斎藤が“どうして自分が払わなければいけないんだ”と、認めなかったそうです。ほかにも条件があったのですが、ことごとく外され、サクラさんは2025年4月に『貞操権侵害』で訴訟を起こしました」

訴訟の判決日、東京地裁でマスコミに囲まれ取材を受けるマイコさん
訴訟の判決日、東京地裁でマスコミに囲まれ取材を受けるマイコさん
【写真】どんな気持ちで言ってたの…嘘を重ね心を踏みにじったやり取り

 しかし訴訟を担当した裁判官は、自分はこの種の事件には数十万円の低額判決しか出さないから125万円で和解しろ、という見解を示していたという。

 そんな裁判官に対し、サクラさんが今年の1月16日の和解期日に、マイコさんの裁判例を含む、同被害者の会から提供された高額認容例を持っていくと─。

「強硬な見解を持っていた裁判官が“自分の考えが偏りすぎていた。間違っていました”と、それまでの認識の誤りを認めるような発言があったそうです」(マイコさん)

 3月3日、この訴訟の尋問期日を迎えるはずだったが、斎藤側の都合で延期になりそうだという。彼はどんな心境で逃げ続けているのだろうか。

 独身だと偽り、結婚を前提に交際を続けても、金銭搾取がない限り詐欺罪には問われない。だが既婚者だと偽らなければ、彼女たちは交際すらしていなかった。サクラさんは、独身偽装をする男性の特徴をこう話す。

「私を含め被害に遭った女性の話で共通するのは、性行為で妊娠したら責任を取ると言って、避妊をしないということ。そのひと言で安心させようとするんです」

 女性をだまして同意を得る独身偽装は、決して許してはならない性搾取であり、性暴力だといえるだろう。