謝罪文はテンプレをコピペ
ケース4
結婚式の写真を突きつけられても完全否定。
示談交渉中もアプリで相手を探す気持ち悪さ
会社員の友香さん(仮名・39歳)は2016年、30歳のときに結婚し、4年後に性格の不一致が理由で離婚した。
「もう再婚するなんて気も起こらず、このまま一人で暮らしていくのだろう、と思っていました」(友香さん)
しかし2023年1月に祖父が亡くなったとき、友香さんの気持ちにちょっとした変化が起きたという。
「人はいつか死ぬんだな、って思ったら、寂しくなってきて……。母親は健在ですけど、私は長女ですから、亡くなったときに喪主をしなくてはいけない。自分1人でそれを背負うのはしんどいかな、と」(友香さん)
結婚はしなくてもいいが、パートナーとして一緒にいてくれる人がいたらーー。そんな思いが、マッチングアプリへの登録を決意させた。
2023年3月、自分のプロフィールに“離婚経験があっても気にならない方だけお願いします”と書き、アプリに登録。翌月に10歳年下で、有名企業の子会社に勤めているという豊田(仮名)と知り合った。チャットで何回か話した後、豊田と直接会った友香さんは彼の印象を、
「好青年という感じでした」
と振り返る。そこから何回かデートを繰り返し、1か月後に「お付き合いをお願いします」と、豊田から告白された友香さん。
「当時、彼は27歳で年の差もあるし、私は離婚したときすごく傷ついたので、真剣に付き合う人じゃないと無理です、と言いました。そういうこともわかった上で付き合ってくれますか? と聞いたら“そういうことはすべてわかっています”と言ってくれたんです」(友香さん)
そこからは毎日のように電話やLINEでやりとりし、豊田は月に5~6回は友香さんの自宅に泊まるようになった。平日も時間が合うときには食事に行ったり、土日も一緒に過ごすことも多かったという。
豊田との幸せな日が半年ほど続いたある日、友香さんの親族が結婚式を挙げることになり、その2次会に豊田を誘った。しかし“その日はちょうど友人の結婚式に呼ばれている”と、断られてしまった。
親族の結婚式の4日後、いつものように友香さんの家に泊まりにきた豊田。翌年(2024年)に友香さんのいとこの結婚式が決まっていて、そのことを話しながら「これから結婚式とかいろいろな予定が入っているから楽しみだね」と結婚式場の話になった。そのとき「友達の結婚式はどうだった?」と聞く友香さんに、
「あまり覚えてない」
と、曖昧な返事を返す豊田。そのときは結婚式とか興味ないのかな、と友香さんは思ったという。だが、
「彼が帰った後、いとこがどんな式場で挙げるのだろうと思って、インスタで検索してみたんです。そうしたら“昨日は長男の結婚式でした”という投稿が出てきて。アップされている写真を見ると……」(友香さん)
投稿者のアイコンは家族4人の写真で、その1人はどう見ても豊田本人。しかも、結婚式の“主役”として写っているのは彼なのだ。偶然にもいとこの挙式予定の式場と、豊田が挙式した式場が同じだった。投稿者はどうやら豊田の父親のようだった。
「わけがわからなくなったんですけど、LINEで彼を問い詰めたらブロックされてしまうかもしれない。だから、次に会うときに聞いてみようと、思ったんです」(友香さん)
デートの後、友香さんの車で豊田の家に送り届けるタイミングに、インスタの写真を「これはどういうこと?」と彼に見せた。
「“結婚しているの?”と聞くと“いやいや、してないしてない”と相手は完全否定。“じゃあ、これは誰なの?”と聞いたら“知らない、誰なんだろう”って、絶対に自分だと認めないんです」(友香さん)
そんな豊田を見ながら「疑ってごめんね」と、友香さんはその場は矛を収めた。そして絶対に言い逃れができない証拠をつかんでやる、と見つけ出したのが、豊田の結婚相手のインスタ投稿。次に会ったときにそれを見せても、
「そんな知らない人が書いてることと僕のこと、どちらを信じるんだ」
と逆ギレする始末。すると翌日に豊田から「もう別れよう」というLINEが届いた。
「完全にバレたと思って逃げようとしたんでしょうね。でも絶対に逃さないと思って、最後にもう一度だけ会ってほしいとLINEしました。そして会ったとき“本当に結婚してないんですね? 私が疑ったから別れるんですね”と念を押したら“そうです”と」(友香さん)
実は初めに疑いを豊田にぶつけたときから、会うときにはボイスレコーダーを回していた友香さん。その録音データを証拠にして、貞操権侵害として内容証明を彼に送り、慰謝料250万円を請求した。
「慰謝料と共に謝罪文も出せ、と要求しました。相手側は文面にして送ってきましたが、弁護士事務所のHPにあるテンプレをコピペしたもの。誠意も何もありませんでした」(友香さん)
謝罪文は出してきたが、250万円という金額は払えない、と弁護士を通じて通告してきた。友香さんは弁護士を立てずに、自ら交渉。最終的に107万円で示談に応じた。
結婚していることがわかってから豊田について調べてみると、2022年10月にはすでに籍を入れていたことが判明。式を挙げたのは、入籍してから約1年たってからのことだった。また、友香さんとの示談交渉中もマッチングアプリに登録したまま、ほかの女性を探していたのだ。
「本当に気持ち悪い。もう、アプリに登録している男性が、みんなウソをついているのでは、と思うようになりました」(友香さん)
豊田が既婚者だとわかってから心労のために、2か月で10キロも体重が落ちたという友香さん。自分と同じことで悩んでいる人がいたらと、こんな言葉をくれた。
「本当に好きで、でも既婚者だとわかったら明日から会ってはいけない人になっちゃいますよね。そこから不倫でもいいから、と続けてしまう人も多いと聞きました。でも、その好きという気持ちをエネルギーに変えて、慰謝料を請求してほしいと思います。
不倫でいい、なんて続けていたら、自分が訴えられる側になってしまいますし。つらいですけど、人を騙してきた人なんて、絶対にパートナーとしてふさわしくないですから」

















