市場は石油由来の製品にあふれている。スーパーの店頭に並ぶ食品のトレイや弁当・惣菜容器、包装まであらゆる品目に影響が広がりそうだ。
「ガソリンが高騰すると代替品としてバイオエタノールなどの需要が高まります。原料はトウモロコシなどの穀物で、大半を輸入に頼る穀物の価格が上昇します。穀物は牛や豚などの飼料ですから、国産和牛も国産豚も鶏肉も卵も影響を受けます。魚だって同じです。漁船を動かすには燃料が必要ですから。あらゆるものが順次値上げされると思ったほうがいいでしょう。そもそも商品の輸送コストがかさむんです」(荻原さん)
野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんの試算によると、原油価格が約30%上昇した場合、日用品の価格上昇率は洗剤が9・6%、シャンプーが6・8%、食品用ラップが3・6%と予想されている。
食料品では、野菜全般、肉全般ともに1・8%価格が上昇する見込み。 詳しくは別表(写真ページ)のとおり。
ハウス農業を営む農家も死活問題に
現場の声を聞いた。神奈川県川崎市宮前区でハウス農業を営む「井上農園」の井上國夫代表(72)は、「できるだけ早く燃料価格が元に戻って安定してもらいたい」と話す。
「今の時季はトマトを栽培しており、ハウス内を暖めるため、4月下旬まで2週間あたりで、多ければ100リットル以上の燃料を使うことになります。うちは灯油で暖めるハウスが2棟、重油で暖めるハウスが2棟の小規模農家です。最低気温は毎日気にしていて、夜間から朝方にかけて気温が10度以下になりそうなときは暖房機を回します。燃料高騰はこたえますが、トマトは直売所で地元のお客さんに販売しており、一度離れると戻ってきてくれないかもしれませんから、値上げは考えていません。利益はなくなりますけどね」(井上代表、以下同)
商品を入れるビニール袋や肥料の値上げも心配だという。
「これからメロン栽培の時季にも入ります。メロンは最低でも18度以上を維持したいので、5月に入っても朝方は暖房機を回します。心配なのは重油の調達が滞ること。大規模農家はもっと大変でしょうし、今は耐え忍ぶときだと覚悟しています」

















