「深作議員が示した例によれば、報酬月額が約31万円の人のケースでは、JRの値上げで通勤手当が710円アップしただけで、保険料の等級が一段階上がってしまいます。すると、健康保険と厚生年金を合わせた本人負担額は、月に2977円も増えてしまう計算になります。
自分のポケットには1円も入らない、JRに支払う電車代の補填を受けただけで、手元に残るお金が3000円近くも減ってしまう。これが、いま起きようとしている『通勤手当が増えたせいで手取り減少』の正体です」(前出・社会部記者)
役人が作った“二重基準”
この状況に追い打ちをかけるのが、制度のチグハグさだ。
実は「所得税」の世界では、通勤手当は月15万円までなら「給料(利益)」とは見なされず、税金はかからない。ところが「社会保険料」の世界では、なぜか「給料の一部(報酬)」としてカウントされる。
この矛盾に対し、ネット上では怒りの声が渦巻いている。
《交通費は必要経費であって個人の利益じゃない。そこから保険料を取って手取りが減るのは理不尽すぎるだろ》
《所得税は非課税なのに保険料はカウントするなんて……少しでも税金を多く徴収したい官僚が考えそうな二重基準》
高市首相は18日の参院予算委員会の答弁で、通勤手当を保険料の計算から外すことに対し、「全体の保険料率引き上げが必要になる」「歩いて通う人との公平性が損なわれる」と慎重な考えを示した。
しかし、物価高で生活が苦しいなか、「ルールだから」「公平性が必要だから」という理屈で、実質的な“減収”を押し付けられる国民の納得感はきわめて低いのではないだろうか。
「手取りを増やす」ことを高市政権は掲げているが、目の前で起きている「電車代による手取り減少」という現象を放置したままでは、その言葉の信憑性が問われることになるだろう。今後の対応に注目が集まっている。

















