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ー 採決のたびに自席に小走り

 国会の本会議といえば、重厚で張り詰めた空気のなか粛々と議事がすすむ――そんな“お堅い場”のイメージをくつがえす、思わぬ光景が話題となっている。

採決のたびに自席に小走り

 発端は、3月31日に行われた参議院本会議での一幕だ。この日は複数の議案採決が立て続けに行われ、議員たちは次々と投票を求められる“ラッシュ状態”に。そのなかでひときわ注目をあつめたのが、財務大臣である片山さつき氏の動きだった。

「閣僚は通常、閣僚席に座っていますが、採決の際には自席に戻って投票する必要があります。そのため、この日は議案ごとに“閣僚席→自席→閣僚席”という往復を短時間で何度もくり返すことになりました。議場内は距離こそ限られていますが、スケジュールが詰まっているなかでは一つひとつの移動にもスピードが求められ、結果的に“シャトルラン”のような状態になってしまったのです」(政治部記者、以下同)

採決のために急いで自席に向かおうとする片山さつき財務大臣(参議院インターネット審議中継より)
採決のために急いで自席に向かおうとする片山さつき財務大臣(参議院インターネット審議中継より)

 問題のシーンは中継映像にもはっきりと映り込み、片山氏がやや小走り気味に席を移動する様子は、どこかコミカルですらある。厳粛な議場とのギャップもあいまって、その姿は瞬く間にXで拡散され、多くのコメントが寄せられた。

《議員の皆さんの「頑張れ―!」の声援で最後まで走り切りました。お疲れ様でした》
《おちゃめー。必死で可愛い。本当にお疲れ様でした。ありがとうございます》
《最後はゼェゼェゼェ言うとります》

 “ほほえましいハプニング”として受け止める声が多いが、今回の一件は現行の国会運営のあり方そのものに疑問を投げかける契機ともなりそうだ。

「現行の国会運営ルールでは、投票は各議員の自席で行うのが原則です。閣僚であっても例外ではないため、今回のような往復が発生するのは制度上やむを得ない部分もあります。ただ、デジタル化や効率化が叫ばれるなかで、この“アナログ感”に違和感を覚える人が増えているのも事実でしょう。

 実際、近年は地方議会や一部の委員会で電子投票システムの導入が進むなど、議会運営のデジタル化は徐々に進行しています。それだけに、今回の“人力ダッシュ”とも言える光景は、時代とのギャップを浮き彫りにしていますね」

 それでも、普段は歯に衣着せぬ発言で知られ“強い女政治家”のイメージの強い片山氏が、議場で息を切らしながら必死に往復する姿は、多くの人にとって意外性のあるものに映ったのは確か。政治家の素顔が垣間見える瞬間だったのかもしれない。