「福島の歴史を学ぶことができました」と愛子さま
しかし、3月後半に訪問予定だった岩手県と宮城県は、両陛下の体調不良で延期に。
「責任感の強い両陛下ですから、訪問が延期になったことは、ご本人がいちばん残念に思われているはず。それだけに、今回の福島県訪問には、より一層強い思いを抱かれていたのではないでしょうか」(前出・皇室担当記者)
近現代の皇室制度に詳しい、静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は、皇室の被災地訪問の意義を次のように解説する。
「困難を抱えている人々に寄り添い、励まし、そしてその状況を広く国民に周知するという意味があります。被災地への訪問が皇族の重要な公務として位置づけられることは非常に意義深く、今後もより重視すべき公務の一つといえるでしょう」
初日に訪れたのは「原子力災害伝承館」。双葉町はかつて全域が福島第一原発事故により、避難指示区域に指定されていた。案内を務めた館長の高村昇さんは、ご一家との会話をこう回想する。
「除染した土の再生利用や最終処分について非常に深い興味を示されました。愛子さまからは『最終処分まではどのように運ぶのですか』『持っていった先ではどう管理するのですか』といった質問をいただきました」
伝承館では両陛下と共に献花を行った愛子さま。
「陛下が愛子さまを伴われた背景には、震災から15年が経過して、改めて東日本大震災や原発事故の記憶を継承する大切さを、肌で感じてほしいという願いがあったのかもしれません。愛子さまは終始真剣に耳を傾けられ、最後に『今日は福島のこれまでの歴史を、学ぶことができました』とおっしゃってくださいました」(高村館長)
2日目には大熊町を訪問。同町に移住し、大規模キウイ農園を運営する「株式会社ReFruits」の原口拓也さんは、懇談をこう振り返る。
「避難先で栽培されているキウイの美味しさに感銘を受けた話をさせていただきました。今年、ようやくキウイが収穫できるとお伝えしたところ、雅子さまと愛子さまは『楽しみにしております』と笑顔を浮かべてくださいました」
同じく、大熊町で懇談した「株式会社いんふぉ.」の野口美佐子さんは、震災後も、地元の情報誌を発行し続け、地域の絆をつなぎとめてきた。
「愛子さまからは『町に戻られていかがですか』とお気遣いいただきました。最近は朝にキジが鳴くので、その声で目を覚まします、とお答えしたところ、優しくうなずいておられました」(野口さん)

















