《『積木くずし』という本が出てからというもの、うちはお祭りの連続だったんです。それで、お祭りが終わってみたら、残っているのはうず高いゴミの山ばかり。風が吹いてそれがバラバラと散って、空しいあの光景と同じです》(穂積美千子のコメント/同)
娘の由香里は35歳の若さで他界
その後のてん末はさらに痛々しい。都内のアパートでひっそりと暮らしていた美千子は、2001年、62歳で自ら命を絶っている。
東村山市でスナックを経営するなど、自活していたかに見えた娘の由香里も、2000年に腎不全で入院。母の後を追うように2003年に多臓器不全で他界している。35歳の若さだった。
対照的に、著者である穂積は中堅俳優に戻り、長い余生を生きた。別の女性と再婚し、何事もなかったかのように舞台やドラマに出演、声優としてのキャリアも侮れない。
2018年に87歳で鬼籍に入るまで、波乱に満ちた役者人生を全うしている。これだけたくましいのだから、娘の非行なんかどうとでもなったに違いない。
そして何より『積木くずし』の一件から教えられることは、人生とは途中で何が起きようと「最終的には、落ち着くべきところにしか落ち着かない」という自然の摂理である。
取材・文/細田昌志


















