さらに鴫原先生は、生活にメリハリと、ときめきを持つ重要性も説く。
「同じ毎日の繰り返しでは、脳への刺激がなくなるので、私の外来では、日記にその日の楽しかったことを書いてもらっています」
また、糖尿病や高血圧など生活習慣病の持病があれば、自己判断で服薬をやめず、しっかり治療をすることも欠かせない。
「自覚症状がないからと生活習慣病を放置すると、血管が傷み、将来的に認知症につながってしまいます」
65歳を過ぎたらダイエットは禁物!
「生き物の脳や身体は、使わないと弱り、使えば鍛えられます。積極的に外出したり、人と交流したり、趣味を楽しんだり、定期的な運動を習慣にしましょう」
鴫原先生が、“高齢者がやってはいけない”と釘を刺すのが「ダイエット」だ。
「65歳を過ぎて体重を落とすと、脂肪ではなく筋肉ばかりが落ちてしまいます。筋肉には脳を活性化させるホルモンを出す働きがあるため、筋肉が減ると脳の働きも鈍くなってしまいます」
筋肉には血液をためる働きがあるため、筋肉が減ると血液も減って脳に十分な血液が運べなくなり、脳の機能を落とすことに。
そこで、脳への血流量を増やすために意識したいのが「水分補給」だ。
「1日に1・5リットル程度の水を飲むことをおすすめしています。血流が良くなると脳に酸素や栄養がたくさん運ばれ、脳が元気になって認知機能が上がることがわかっています」
逆に、身体にとってよくないことは脳にとってもよくない習慣。
「タバコは脳に酸素が行かなくなるので厳禁。飲みすぎもよくありません。最近は『酒に安全な量はない』と言われています。飲まないのが一番ですが、人生がつまらなくなっては本末転倒。楽しみの範囲でたしなむ程度なら良いのではないでしょうか」
大切なのは、今の楽しい生活をこれからも続けたいと思える毎日を過ごすこと。
「目的もなく、『英語を覚えたい』『ダイエットしたい』と思っても長続きしないように、認知症予防を目的にしても続きません。でも、『最期の日まで楽しく生きたい』と考えたら、続けられるのではないでしょうか」
さらにもう一つ重要なポイントがある。
「実は、脳トレなどは一人でやるよりも、集団で行うほうが高い効果が得られるというデータがあります。指導者や仲間と交流しながら取り組むことが、脳にとっていい刺激になるのです」

















