天皇、皇后両陛下はオランダ、ベルギーを公式訪問
天皇、皇后両陛下は、6月13日から26日までの予定でオランダ、ベルギーを公式訪問しているが、出発前の記者会見で陛下は政府が進める皇室典範改正問題について、このように思いを述べた。
「立法府の総意」の取りまとめ案である、1.女性皇族が結婚後も身分を保持する、2.旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える、いずれの案も具体策がなく疑問が多い。
特に、「旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える」案は、《(略)80年間も民間人として生活してきた旧宮家の人を唐突に皇族に復帰させ、その後生まれた男子を天皇と想定することに、国民の理解が得られるのか。男系男子に固執するあまり、皇室が国民の思いからかけ離れてしまっては本末転倒だ》などと『読売新聞』が社説で主張するように、私の周囲でも批判が多い。
おそらく、陛下もこうした世論を背景に「国民の皆さんの理解が得られるものとなること」と、あえてやんわりと釘を刺したのだと思う。
佳子さまは、結婚すれば一般の国民として生活するつもりで31年間、生きてきた。姉の小室子さんは結婚して皇籍を離れ、現在は家族3人、アメリカで暮らしている。
とても仲の良い姉妹で、世間から批判を浴びた結婚に際しても《私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています》(2019年、国際基督教大学卒業に際しての文書回答)という文書を発表するなど、終始、姉を応援してきた。
それだけに佳子さまは今、とても複雑な思いだろう。もし皇室典範が改正され、結婚後も皇族としてこれまでどおり公的な活動を続けることになったとしても、「はい、わかりました」とすぐに納得できるだろうか。大いに疑問である。
冒頭に紹介した、児童出版文化賞の佳子さまの挨拶を思い出してもらいたい。今こそ、「『もしも自分だったら』と考えることの大切さ」が、必要なのだと思う。
佳子さまは内親王である前に、一人の女性である。一人の人間として31年間、結婚後の自由で新しい人生に、大きな夢や希望を抱いてきた。それなのに、「その夢を諦めろ」と言われているのに等しい。
ある意味、過酷ともいえる人生の大きな選択を佳子さまに強いることになるのだ。法律を改正する前に、政府や国会議員の一人ひとりが、「もしも自分が独身の女性皇族の立場だったら」と考えることが大切なのだと思う。
天皇陛下や佳子さま、あるいは、秋篠宮さまたち当事者の身になり、その立場に立って結論を出してもらいたい。
拙速は禁物である。
<文/江森敬治>


















