親が高齢になり、介護や死に直面するのを余儀なくされる更年期世代。羽田さんもしかりだった。

肺がんの父親を看取り母親を介護する日々

更年期にさしかかるちょっと前に父が他界し、生活パターンを変えざるを得なくなってから身体の不調が始まりました。母を一人にしておけず、東京と実家の茨城を行き来する二拠点生活を選択したんです。急に仕事以外のタスクが増え、疲弊してしまったのも影響したのでしょう」

 肺がんだった父親は、入院から約1か月で世を去った。看取りに始まり、葬儀や四十九日、一周忌と慌ただしく経験。

父母とのスリーショット。自分を育ててくれた感謝を胸に、母親の介護に取り組む
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【写真】“憧れていた暮らし”を実現!マイブームを楽しむ羽田さん

 そんな中で今度は母親が体調を崩し、自身も更年期の症状を抱えつつ介護の日々を送るようになる。

「でも、ありがたかった面も。忙しさのあまり、自分の身体のことをちょっと忘れられたので。亡くなる前の父に、家のこと、母のことは私に任せて、と伝えていたため、頑張らなきゃいけないという思いがあったんですよ」

 とはいえ、母親の介護にイライラやもやもやを感じるときも少なくない。

「老いた親は子どもに返るんですよね。私が家に戻ると、その日の出来事を全部聞いてあげないと次に進ませてもらえなかったり、良かれと思って作ったごはんも口に合わないと食べてもらえなかったり。具合が悪いときは下の世話も必要に。

 本人も『ごめんね』と謝るから、傷つけないように『全然大丈夫だよ』なんて言って、顔で笑って心で泣いていたりして……」

 親の介護で心身が疲弊したときは、セルフメンテナンスが大切という。

「今はお灸で身体の疲れをとって、リフレッシュしています。結局、自分の行いが、鏡のように相手の態度に反映されるわけです。私が優しく接したら、母も同様に優しく返してくれる。いちばん心を許せる相手だからこそ、いちばん心を配るべきなんです

 加えて、心の持ちようも重要に。自分の子ども時代を思い返しながら、親の介護にあたっているという。

「子どものころって行動が遅く、何をするにしても親を待たせていましたよね。だから今度は、私が待ってあげる番だと思っています。子どもが大きく育つまでには、親のいろんな犠牲なくしては成り立ちませんよね。そう考えることで感謝の念が強くなり、いつも以上に優しく接することができるんです

 さらに、老いていく親の姿に、将来の自分の姿を重ね合わせることも。

「ちょっと前のアルバムを見返すと、母は元気なんです。それが、この2、3年の間に足が不自由になったり、食べ物をこぼしたりするなど、老いが顕著に現れるようになって。私もいずれ同じ道をたどるのだと思います。母は身をもって、そのことを教えてくれているのかもしれません」