女性には意識的に運動習慣を取り入れてほしいと歌島先生は話す。

「年齢とともに運動量が減少していると実感している人も多いはず。わざわざジムに行かなくても、まずは日々の生活の中に、1回1~2分間の息が弾む程度の動きをちりばめる“ながら運動”を取り入れてみるのがおすすめです

突然死を防ぐ『階段スナック』とは

 ながら運動とは、歯磨きや食器洗いをしながらつま先立ちでかかとの上げ下げをしたり、普段より少し大股で歩きながら腕を大きく振ったりして、仕事や家事など日常生活の中で行う動作に少し負荷をかけること。日常生活に組み合わせることで、習慣化しやすいのも利点のひとつ。

少しきつめの日常動作を1日に合計3~4分取り入れている人は、心血管疾患による死亡リスクが、何もやっていない人より約3割低いという報告もあります

心疾患の死亡者数は年々増え続けている(共に、厚生労働省「主な死因の構成割合令和7年(2025)」)
心疾患の死亡者数は年々増え続けている(共に、厚生労働省「主な死因の構成割合令和7年(2025)」)
【写真】心疾患と脳血管疾患が死亡原因の2位と4位に!主な死因の割合は

 目安は、息は弾むけれど、短い返事ならできる程度。最低でも1分行うと効果につながりやすい。

最も効率がいいのは『階段スナック』と呼ばれる運動。階段60段を早いペースで上るこの運動を1日3回、週3回、6週間続けたところ、息切れしやすさが改善したという研究結果が出ているんです。

 ただし、いきなり全力で行うと心臓と脳に負担がかかり逆効果なので、まずは7~8割の力で始めてください。1分間のうち、最初の10秒はゆっくり行い、最後の10秒でクールダウンすることを意識しましょう」

 身体だけでなく、心の状態を穏やかに保つことも突然死の予防につながる。

強い不安やうつ症状があると自律神経のバランスが崩れ、身体を活動モードにする交感神経が過剰に優位になります。その状態が長期化すると心拍数や血圧が高めに維持され、心血管疾患のリスクが高まります

 気づきづらく、我慢してしまいがちな心の不調だが、気分の落ち込みや不眠などの症状が2週間以上続く場合は、かかりつけ医や心療内科、精神科の受診を。

「突然死の予防で大切なのは、特別な健康法や話題の治療法ではありません。世の中には多種多様な健康の情報があふれていて、インパクトがあるものもたくさんありますが、ぜひ信頼できる情報を見極めてほしいと思います。

 最低限、論文引用があるかどうかは確認してください。まずは自分の生活習慣を見直し、その上で、医学的に信頼できる情報に基づいた方法の中から、自分にできそうなことを一つでも取り入れ、継続することが大切です