こちらがKISSとのコラボ作品。左から『変妖』『大首絵』『粋男』

──偶然の重なりが、どんどん大きなビジネスになりました!

「はい、あまり考え過ぎないで挑戦したことが、よかったのではと思います。英語がもっと話せるようになってからとか、ちゃんと資料を準備をしてから……と考えていたらチャンスを逃し、いまだに何も達成していなかった思います。

 プレゼンの英語は本当に下手だったかもしれませんが、情熱だけは伝わったのだと本当に嬉しく思います」

──現在、三井さんがプロデュースするコラボ浮世絵はKISSに続いて、イギリスのヘビメタルバンド、アイアン・メイデンのものが販売中です。

「アイアン・メイデンは、KISS浮世絵のプロモーショングッズが、たまたまライセンス会社の社長の目に留まり、オファーをいただいて実現しました。

 しかし、アメリカでは『なぜこのポスターが10万円もするの?』と思われているところがあります。販売するためには、まず浮世絵の歴史や作業工程などを知ってもらうことから始まるので、理解を得るのにはまだ時間がかかりそうです。でも、一人でも多くの方に知っていただけるように日々試行錯誤し、私も勉強させていただいています」

──今後の目標を教えてください。

「世界中のポップカルチャーのレジェンドたちと浮世絵をコラボさせ、シリーズ化することです。そうすることで“浮世=今”を映しつつ、伝統芸能の職人さんの、技能を残すお手伝いをしていきたいです。

 そして今、弊社にMIZMOという演歌ガールズグループがいるのですが、演歌独特のこぶしを3声のハーモニーで歌い、世界に進出しています。

MIZMOのコンセプトは「EAST meets WEST」。東西の音楽の衝突、協調、融合によってできた新しいENKAは彼女たちの「核」でもある(画像をクリックすると公式サイトに飛びます)

 先日、フランスでデビューをした彼女たちですが、独特なこぶしが、民族音楽としてとらえられ、非常に面白い反応をもらいました。

 日本で演歌は衰退の一途をたどっていますが、一歩海外へ出ると全く新しいものに変わるきっかけやチャンスがあると信じています。

 過去に前例がないので賛否両論、七転び八起きでいろんなことが起きますが、彼女たちにはあえて未知の領域へ踏み込み、新しい演歌の可能性を信じて、イノベーションを起こして欲しいと思っています」


<プロフィール>
三井悠加(みつい・ゆか)
1982年東京都生まれ。父親の営む芸能プロダクション・三井エージェンシーに9年勤め、コンサートの企画・制作、マネージャー業務、グッズ制作などを担当。2014年のロサンゼルス留学をきっかけに、伝統芸能とエンターティメントの融合したビジネスをスタート、現在に至る。

(構成・文/中尾巴 撮影/森田晃博)