親子の間に血のつながりはない

 前出の同級生も一明容疑者の性格を「本当にまじめで、自分で抱え込んでしまうタイプなんだよ」と指摘し「相談してくれていれば」と悔やむ。

 近隣の80代の女性は、自治会の活動で見た一明容疑者のエピソードを明かしてくれた。

「うちの主人が班長をやっているときに、一明くんが副班長でね。ただ主人の身体が悪かったから、そこを一明くんが全部やってくれて。そこまでやらなくてもいいって言っても、やるから大丈夫ですって。まじめだけど、融通が利かないところがあってね。人に頼ったりできない人だった」

 加えて一明容疑者は腰に持病があり、今年に入ってからも入院をしていた。さらに「9月末か10月上旬には腸捻転になって救急車で運ばれてさ。自分の身体も悪いし、お母さんも認知症だし、先を悲観したんだろうね」(同級生)

 近隣住民によれば、スイさんはほんわかした雰囲気の女性で、明るく優しいおばあちゃんだったという。町内会での旅行にも参加していた。  

 ただ、親子の間には血のつながりはないと、古参の近隣住民が明かす。

「一明はもらいっこ(養子)でね。生まれてすぐの子をもらってきたのさ。一明、一明ってね。よっぽど可愛かったろうよ。でも本人も家族も、そのことはいっさい言わなかった。本当の家族のように思っていたんだろうよ」

 血がつながらずとも一緒に歩んできた家族に訪れた悲しい結末。2人が暮らす家から怒鳴り声が聞こえたわけでもなく、ただ、母親と献身する息子の姿があった。父親は20年以上前に他界していた。

容疑者の自宅周辺は住宅と田園風景が広がる