目次
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ー 初期症状はめまいや立ちくらみ
Page 2
ー リスクは若年層よりも中高年やシニア
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ー こまめな水分補給を習慣化する
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ー 規則正しい生活が何より重要

最近は冷房の効いた室内など、思ってもみない場所で脱水症になる方が増えたことから“隠れ脱水”という言葉が広まってきています

 そう話すのは、内科医の安藤大樹先生。

初期症状はめまいや立ちくらみ

 そもそも脱水症とは、体内の水分が不足することで起こるさまざまな症状のこと。そして進行するまで症状に気づかず、有効な対策がとられないことを隠れ脱水と呼んでいる。

「人間の身体の約60%は、体液などの水分でできています。1日に呼吸や汗、尿や便などで身体から失われる水分量は約2.5L。食事の摂取や体内でつくられる水分は約1.3Lなので、飲料水としてあと1.2Lの摂取が必要です。

 しかし発汗量が増えたり、食事や水分摂取量が減ることで、徐々に隠れ脱水は進行。そこに暑さや湿度が加わると熱中症になってしまうんです」

 特に湿度の高い季節は水分が蒸発しにくいため汗をかきづらく、気づかぬうちに脱水症が進んでしまう。代表的な初期症状としては、めまいや立ちくらみがあげられる。

熱失神という、一瞬気が飛ぶような失神も初期症状です。炎天下の運動だけでなく、室内での長時間労働などによっても体内に熱がこもり、脳への血流が減ったり、脳自体の温度が上がることで引き起こされます。

 これに加え頭痛や吐き気のような、身体の循環機能が悪化する所見が出てくると、さらに深刻な状態といえるでしょう

 このほかに水分をとっても口や唇の渇きが改善しない、集中力が続かないのも症状のひとつ。脱水のサインは、トイレの間隔が長くなったり、尿の色が濃くなるなどもある。