消防団の中で3人くらいと深い関係に

 事件のあったマンションに佐藤容疑者が引っ越してきたのは昨年7月ごろだった。

「やせていて、身長は160cmぐらい。43歳にしては若く見えて、きれいというか」

 と同マンションの住人。

 引っ越し直後から佐藤容疑者は、少し風変わりな行動に出た。町内会に率先して入り、古くからの地元男性が多い消防団に加入した。

「子どもがいればまだわかりますが、ひとり暮らしで、どうして町内会に入りたがるのか。本当におかしいと思ったんですよ」

 そう振り返る近隣の女性住民は、

「いきなり女性が消防団に入るのも変でしょ? 消防団の中で男女トラブルになって、3人くらいと深い関係になったって聞きました」

 消防団の行きつけの飲食店店主は、佐藤容疑者に迷惑をこうむったと話す。

「酒が入ると裸足で店内を走り回ったり、奇声を上げたりするので、あの人がいるとほかのお客さんが帰ってしまうんです。調理しているときに、勝手に厨房(ちゅうぼう)にまで入ってきちゃうので、ちょっとおかしい人だなとは思っていました。このへんのお店では、けっこう出禁になっているところがあるらしいです

 佐藤容疑者を出禁にしたという居酒屋店主は、

「無銭飲食をしたので、警察を呼びました。警察が来たら普通、店の人間にどうしました? とか聞くじゃないですか。警察官は、いきなり彼女を見つけて、外に呼び出しました。警察官を蹴っ飛ばしていましたから、公務執行妨害ですよ

 と証言する。地元の警察官に顔を覚えられている“常習犯”だったのだ。

 無銭飲食をするほど生活費に困っていた佐藤容疑者の手口は、

「結婚している消防団員を呼び出して、飲みに行こうって誘うんです」

 と前出・居酒屋店主。

「それで奥さんたちも怒っちゃって。(被害者の)嵐さんも最初、彼女を更生させると言って面倒を見始めた。それがきっかけで付き合うようになったんだけどね」

 佐藤容疑者の危険なふるまいに消防団員の妻たちからも苦情が寄せられ、3月いっぱいで消防団を退会させられることが決まっていたという。