若い女性を妻にすることがステータス

 志らくは妻について語るとき、必ずと言っていいほど「カミさんは18歳年下で」と説明します。不倫について釈明するときもそうでしたが、この部分、必要な情報でしょうか?

 18歳の年齢差があり、夫人が若いから、ついヤバい行動をとってしまったと若さのせいにしたいのかもしれませんが、夫人も不惑が近い38歳です。女性としても、志らく一門をまとめるおかみさんとしても、若さを理由にできる年齢は過ぎているのではないでしょうか?

 志らくは別の回の『グッとラック!』でも、「カミさんは18歳年下」と話したうえで「援助交際と間違われる」と得意げに話していたことがありますから、妻の若さに重きを置いているのでしょう。若い女性を妻にすることは男性にとってはステータスなのでしょうし、そんな妻がかわいくてならないのだと思います。

 しかし、私には毎回「カミさんが18歳年下」と発言することで、夫人の不倫のリスクが高まっているのではないかと思えてならないのです。

「女性の年齢」というのは、単なる数値でしかないはずですが、女性によって受け止め方は異なります。「年齢で自分や相手の価値をはかる人」もいれば、特にこだわらない人もいます。

「年齢で自分や相手の価値をはかる」女性が生まれる理由としては、テレビの論理を真(ま)に受けてしまうからではないかと思います。今はだいぶ少なくなりましたが、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で、司会の明石家さんまが女性タレントに向かって「いくつになったの? え? もう30歳?」といった質問をし、女性タレントが悲しげに「なっちゃいました、30歳」と答えるパターンを見たことがある人も多いと思います。

 芸能人は一般人と違い、年齢や美貌といった自分の属性を商品にする仕事です。加えて、あの会話はさんまにイジられることで、女性タレントはテレビに多く露出できる、新しいキャラを獲得できるというメリットがあるので「芸能人として」トクをしています。

 しかし、テレビを漫然と見ている多くの視聴者には「男性は自分の年齢がいくつでも、女性の年齢を笑っていい」「年を取った女性はかわいそう」というふうに刷り込まれていきます。その結果、「年齢で自分の価値をはかる」女性が生まれるのではないでしょうか。