一門に潜む不倫よりももっとヤバい“火種”

 仮に志らく夫人が「年齢で自分や相手の価値をはかる派」であった場合、「若い私が18歳も年上のオジサンと結婚してやったんだから、多少のことは許されるだろう」と増長しないとも限らないでしょう。

 反対に「年齢で自分の価値をはからない派」だった場合、「カミさんが18歳年下だから」発言に幻滅を感じるかもしれません。「この人は、私の若さにしか興味がないのか」と夫に落胆したときに、感性が近かったり、ジェネレーションギャップのない男性に惹かれてしまうことはないとは言えません。

『文春』の記事を読んでいると、不倫よりももっとヤバい火種が志らく一門に潜んでいるように感じました。志らく夫人の不倫相手とされた立川うおるたーは「師匠から“嫁さんと子どもを困らせるのは、俺を困らせるよりも許さねぇ”と言われている」と発言しています。

 これは志らく自身の判断よりも、夫人の評価を優先するということではないでしょうか。もしそうだとすると、弟子は夫人に嫌われたら落語家としての未来が閉ざされてしまうことになります。かといって、好かれるのも考えものです。夫人が「酔っぱらって」キスをしてきたり、いかがわしい行為をしてきてもイヤとは言えないでしょうし、その関係が志らくにバレたら破門になってしまうのですから。

 昔であれば、理不尽な目にあった弟子は泣き寝入りしたでしょうが、現代はスマホさえあれば動画も撮れますし、会話も録音できます。SNSがありますから、情報を一気に拡散することも可能です。不倫なんかよりも、もっと大きいスキャンダルが証拠つきで出てくるかもしれません。

 夫婦間でどれだけ妻を甘やかしても問題はないでしょうが、芸道に関わるとなると話は別ではないでしょうか。心を鬼にして「18歳年下のカミさん」をしっかり指導できるのか。志らくの「大人のオトコ」としての指導力が問われているのかもしれません。


<プロフィール>
仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ。会社員を経てフリーライターに。『サイゾーウーマン』『週刊SPA!』『GINGER』『steady.』などにタレント論、女子アナ批評を寄稿。また、自身のブログ、ツイッターで婚活に悩む男女の相談に応えている。2015年に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)を発表し、異例の女性向け婚活本として話題に。好きな言葉は「勝てば官軍、負ければ賊軍」