Q地方在住でも、東京の病院のオンライン診療を受けられる?
A:受けられます。ただし、通院する可能性もある

 遠方からでも診療を受けられるのはオンラインのメリット。“テレビで見かけるあの医師に診てもらいたい”という動機で受診してもいい。

「電話やメールで全国からの健康相談を受け付けている病院はあるので、選択するのは自由です。ただし、そのクリニックで対面診療が必要になる可能性があることも忘れずに。何かあったとき、遠いから行けないのでは意味がありません」

Q好きな場所で受診できる?
A :インターネット環境があれば基本的にどこでもできます

 パソコンやタブレット、スマートフォンを介したインターネット環境があれば、自宅以外で受診しても問題なし。

「ただし、診察しやすい場所でなければいけません。静かで明るい場所、服を脱いで患部を見せられる場所など、対面診療と同様の環境が必須です。電波状況が良好かどうかも事前に確認しておきましょう」

 また、オンライン診療前には、保険証、おくすり手帳、診察券など、通院時と同じものを準備するのも忘れずに。

Qどこまで患部を見せられる?
A:医師の指示なら、お尻を見せても問題なし

 画面の前で胸やお腹を出すのは、少し恥ずかしい気持ちもあるけれど……。

対面診療と同じように、患部をしっかりと画面に映してください。医師の求めがあれば、どこを見せても問題ありません。耳の中など、照明や画質の関係で患部が見えづらいときは“やはり病院に見せに来てください”と対面診療をすすめられる場合も考えられます」

Q本人の代わりに、オンライン診療を受けられる?
A:受けられない。代理受診は診断ミスの原因になります

「対面診療で本人がいないと受診できないのと同様、基本的にオンライン診療も本人が画面上にいなければいけません。家族が代わりにできるのは、オンライン診療のための設定をし、予約を取ってあげるまでです。

 本人に症状を聞いて、代わりに受診すると、症状が間違って伝わる可能性があり、誤診につながります。例えば、遠方に住んでいて直接手伝えない場合は、高齢者向けにサポートをしている自治体やNPOもあるので活用を」

(取材・文/河端直子)

《PROFILE》
植田美津恵 ◎医学博士。医学ジャーナリスト。愛知医科大学客員教授。東京通信大学准教授。厚生労働省研究班委員なども務め、テレビや雑誌などメディアでも活躍する。著書に、『戦国武将の健康術』、『いつか来る、はじめての「死」』など。