プレッシャーを押し返せるか!?

 そして注目されるのは、2月14日からスタートする吉沢亮主演の『青天を衝け』。

 新しい1万円札の顔になる日本の“資本主義の父”と言われる渋沢栄一の生涯を描いた、大河ドラマでは鬼門といわれる近代モノ。なぜ視聴率がとれないとされるのか。

大河ファンは、華やかな合戦シーンを繰り広げる有名武将の活躍を期待している。近代モノだとつい“これ、朝ドラでもよかったんじゃない”といった気分になってしまう

 しかし今回のマイナス要素は、これだけではない。スタートが2月にずれ込み、放送回数も未定のまま。さらに来年には三谷幸喜脚本・小栗旬主演の『鎌倉殿の13人』、再来年には嵐・松本潤主演の『どうする家康』といった作品が早くも発表された。

三重苦ともいうべきマイナスからのスタート。でも、そのぶん頑張ってほしいという思いで大河ファンも応援します。主演する吉沢亮は朝ドラ『なつぞら』でも、登場シーンが少ないにもかかわらず抜群の輝きを見せてくれました。地味な内容でもまわりが盛り上げて、彼にはぜひ輝いてほしい」

 しかも徳川慶喜役には、元SMAPの草なぎ剛が登場。長瀬智也、堂本剛とともにジャニーズ枠に収まりきらない素晴らしい演技力にも注目したいと田幸さんは熱く語る。こんな状況で始まる『青天を衝け』。はたして、近代モノのジンクスを覆すことができるのか、それともワーストランキングに名を連ねることになるのか──。

 華々しく大河主演俳優としてスポットを浴びた吉沢だが、その足元にあるのはスターへの階段か“落とし穴”か──。

大河ドラマワースト15■

1 『いだてん~東京オリムピック噺~』(2019) 8.2% 中村勘九郎 阿部サダヲ
2 『花燃ゆ』(2015) 12% 井上真央
2 『平清盛』(2012) 12% 松山ケンイチ
4 『西郷どん』(2018) 12.7% 鈴木亮平
5 『おんな城主直虎』(2017) 12.8% 柴咲コウ
6 『花の乱』(1994) 14.1% 三田佳子
7 『竜馬がゆく』(1968) 14.5% 北大路欣也
8 『八重の桜』(2013) 14.6% 綾瀬はるか
9 『軍師官兵衛』(2014) 15.8% 岡田准一
10 『真田丸』(2016) 16.6% 堺雅人
11 『武蔵 MUSASHI』(2003) 16.7% 市川海老蔵(当時・新之助)
12 『琉球の風』(1993 1~6月) 17.3% 東山紀之
13 『新選組!』(2004) 17.4% 香取慎吾
14 『江・姫たちの戦国』(2011) 17.7% 上野樹里
14 『炎立つ』(1993 6~12月) 17.7% 渡辺謙・村上弘明

田幸和歌子:たこう・わかこ ドラマコラムの執筆や、ジャニーズウォッチャーとして活動。著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)など

(取材・文/KAPPO INLET GROOVE)