付き添いの夫は威圧感に

 不安や心細さから、家族などに診察の付き添いをお願いした経験がある人もいるだろう。この付き添いの人が診察室で医者にストレスを与えるケースがあるという。

「患者さんである奥さんに旦那さんが付き添う場合、奥さんの後ろに立ったまま話を聞くのは避けてほしいです。特に医者が男性の場合、女性の診察は触診などで心理的に負担を感じやすくなります。そのときに身体の大きな男性から見下ろされれば、医者は強い威圧感を感じてしまうのです

 夫が付き添う場合は、イスを用意してもらって座ることを心がけたい。

 また、もうひとつ避けるべきなのが、付き添いが患者の状況を一方的に説明することだという。

「医者はまず、他人の解釈が入っていない患者さん本人の言葉を聞きたいと考えています。付き添いの人が病状を説明すると自分の解釈を加えてしまい、医者は病状を分析しにくくなります。基本的に、患者さんとふたりで話をしたいと考えているので、付き添いはやむをえない場合だけにしましょう」

診察は医師と二人きりがまずは望ましい(イラスト/伊藤和人)
診察は医師と二人きりがまずは望ましい(イラスト/伊藤和人)
【写真】“患者のNG行動”をイラストで解説

 もし、付き添いで病状を説明する場合は、患者本人が話し終わったあとに、端的に伝えるようにしたい。

医者に共感を求めてはいけない

 病院に行く際、「もしかしたら重い病気かも……」といった大きな不安を抱えていることもある。するとつい、医者に不安な感情をぶつけて共感を求めてしまいがちだが、それは大きな間違いだという。

「患者さんのなかには『痛みが続いてつらい』といった不安な感情を医者に伝えて『大変でしたね』という共感を得たいと思っている人もいます。しかし、医者の目的はあくまで健康問題の解決。聞きたいのは『3日前から強い痛みが断続的に続いている』といった患者さんの身体に起きている事実そのものです」

「自分の気持ち」は診察の妨げに(イラスト/伊藤和人)
「自分の気持ち」は診察の妨げに(イラスト/伊藤和人)

 限られた時間のなかで不安な気持ちばかりをぶつければ、医者は本題になかなか入れず、適切な診察の妨げになってしまう。

「患者が訴えたいことと医者が知りたいことがずれているため、診察室ではこうした行き違いが起こりやすくなります。ですから、診察室に入って医者から『どうしましたか?』と聞かれたら、つらい、怖い、心配だといった心情はいったん脇に置いておいて、まずは自分の身体に起きていることを順序よく時間を追って話すことを心がけてみてください