BTSメンバーも「怖い」

 K-POPの世界的人気とともに、英語圏では“Sasaeng fan”で通ずるまでにサセン問題もグローバル化。ブームをけん引するトップアイドルも大きな被害を受けている。

 BTSはワールドツアーの際にはチャーター機を利用することで話題になったが、実はこれ、サセンからメンバーを守るため事務所が講じた苦肉の策。

 メンバーのVは、動画配信アプリのライブ放送を通じて「本当は普通の飛行機に乗りたいけれど、僕たちが乗るのを知って、近くの席に座る方(サセン)がいます。私的な空間なのにくつろぐことができなくて居心地が悪かった」とチャーター機を利用することになった経緯を告白。怯えるような目で「本当に怖いです」と言葉を重ね、深刻な被害を浮き彫りにした。

ナヨンへの愛を訴えるドイツ人ファン(YouTube『Josh1994』より)
ナヨンへの愛を訴えるドイツ人ファン(YouTube『Josh1994』より)
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 2年前に始まったTWICEのナヨンのサセン被害も心配な状況だ。ナヨンを自分の恋人だと思い込んでいるドイツ出身の男に断続的にストーキングされ、事務所は男を業務妨害罪で刑事告訴。

 しかし、男はドイツに帰国中の今もユーチューブを通じてナヨンへの変わらぬ愛を語り、先日も「もうすぐ韓国に会いに行く」と発言。危険性を感じたファンはSNSで「#ProtectNayeon」のハッシュタグを拡散し、「ナヨンを守って!」と事務所に訴えている状況だ。

「韓国では新型コロナの防疫対策として、厳しい行動規制が繰り返し発令されていますが、サセンの暴走は止むことはありません。最近も男性グループTHE BOYZの宿舎の建物内にサセンが潜入しメンバーを盗撮。不法侵入の疑いで警察に逮捕されました。事務所は声明文を出し、『アーティストやスタッフの精神的、肉体的苦痛が深刻な状況』と訴えました」(芸能専門サイトの韓国人記者)

 サセン被害が止まない中、注目されているのが今年10月21日から施行されるストーキング犯罪処罰法だ。これまで軽い処罰しか科されなかったストーカー行為への罰則が強化され、相手の意思に反して接近し付きまとうことや、住居地で待ち伏せし見張る行為のほか、通信媒体を使い連絡を取ることもストーカー行為とみなされることに。サセンへの抑制になることが期待されている。