(2)葬儀やお墓に関すること

親心で簡素な葬儀を希望するのは逆効果

「子どもに迷惑をかけないようにという思いで、家族葬や火葬のみといった簡素な葬儀を選ぶ人もいますが、書く前に一考を。親の希望を叶えた結果、親戚からの心無い言葉で傷ついたり、後日の弔問で時間を取られたりすることも。葬儀の要望よりも訃報の連絡先を残し、あとは家族に任せるのでもよいのです」

 また、葬儀のときすぐに必要になる菩提寺の連絡先や遺影用の写真の保管場所も書いておく。写真がデータの場合は生前に家族へ送っておくのもよい。すでに葬儀社の予約や見積もりがすんでいる場合は、書類を添付しておく。

「葬儀の要望を残すなら、祭壇に使う花や色合い、棺に入れてもらいたい物などを残すのがいいと思います」

 お墓についても、実際に供養をする残された家族のことを考えることが大事。

「“親の希望どおり散骨したけどやっぱり墓が欲しかった”という人もいます。要望を残さずあえて供養する人たちに任せるのも一案です。管理しているお墓がある場合は、お墓を継ぐ人に情報を残します。子が継げない場合は、親戚に継いでもらえるか確認し、親戚も継げない場合は“墓じまい”を考える必要があります」

〜残すべきこと〜

・菩提寺の名称、宗派、連絡先

・積立、予約、予定する葬儀社の連絡先

・訃報の連絡先

・遺影用の写真の保管場所と指定

〜残しておいてもいいもの〜

・祭壇の雰囲気の希望(好きな色合い、花など)

・旅立ちの服

・お棺に入れてもらいたい物

〜現在の祭祀承継者である場合〜

・墓地管理者と石材店の名称と連絡先、墓地規約の保管場所、年間管理料、法要のときのお布施、戒名の値段例など