酒好きだったのにいちご牛乳を欲して

 長身でダンディー。スケジュールどおりに動くとは限らず、番記者たちが石原さんに話を聞こうと待ち構えていても、居場所が特定できないことも。そんなときは……。

「通過予定のルートを歩いてクンクン匂いをかぐしかない。高級ブランドの香水をつけているので、石原さんが通ったあとは独特な残り香がある。もう来たか、まだ来ていないか判断できる」(同・都政担当記者)

 懐かしい思い出という。

 健康には人一倍、気を使っていた。都知事在任中、高齢にもかかわらず、シュノーケルを装着してスポーツクラブの15メートルプールを何回もターンしていたという。

「1200メートルは泳いでいるからね」

 と番記者に胸を張った。

 石原結實医師の『断食道場』(静岡県伊東市)に毎年のように通い、記者団に向け、

「だいぶスマートになっただろう?」

 などと笑みを浮かべながら確認した。

 父親に買ってもらったヨットに裕次郎さんとのめり込み、大きなレース中に自分の位置がわからなくなり死にかけたこともあった。

「3~4年前、石原さんとヨットに同乗する機会があり、下船後に“いちご牛乳を飲みたい”とおっしゃったのでコンビニまで買いに行ったことがある。以来、ヨットにいちご牛乳を常備するようにしたんです」

 と面識のあるヨットマン。

 酒を好んだ石原さんがいちご牛乳好きとは意外だ。

 海を愛した石原さん。生前、神奈川県・葉山の沖合に海の男らを見守る“裕次郎さんの灯台”を建立している。死後、その隣に“慎太郎灯台”を建てるようにと、息子たちに命じてあるという。