雪乃役の後は人生何度目かの絶望

 知名度と演技力で群を抜くも、杉田さんは「あまり自覚はありませんでした。それより自分のことでもう必死で」と言う。

『3年B組金八先生』で共演した鶴見辰吾さん。お付き合いは長く、現在に至るまでの杉田さんについて語ってくれた
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【写真】『パパと呼ばないで』当時7歳の“チー坊”時代と、母・美年子さんとのツーショットも

 オーディションには参加したが、“演技ができる子も必要だから”と、ほぼ指名に近い形での起用だった。ほかの生徒役とはスタートから違い、

「周囲に求められるぶん、最低限このくらいできなければいけない、できなかったらどうしようといつもドキドキ。切羽詰まっていました」と話す。

 杉田さん演じる雪乃は、15歳にして保の子を妊娠、出産する。伝説のエピソード『15歳の母』で、世間の大きな反響を呼んだ。

 鶴見さんは当時を振り返り「応援してくれた人ももちろんいたけれど、なかには心ないことを言う人もいて。“おまえら実際にそういうことをしたんだろう”と冷やかされたりもしましたね。

 かおるさんは女の子だし、もっと大変だったのではないでしょうか。僕らもちょうど思春期だったからヘンに意識してしまって、当時はあえて距離を置いていたところがありました(笑)」と話す。

 雪乃役の好演で子役からの脱皮を叶(かな)えるも、「人生終わったなと思いましたね」と杉田さん。当時は役柄同様中学3年生で、役者に役を重ねる視聴者も多くいた。

「あのころはドラマで悪役を演じると家族がいじめにあうような時代。雪乃役を演じたときは、もうまともな就職も結婚もできないと思った。人生何度目かの絶望でした」