生活を再び大きく変えた再婚

 杉田さんが湘南に移り住んだのは今から12年前のこと。オーガニック野菜との出会いがそもそもの始まりだった。

「湘南は畑ができる土地ということで見つけた場所でした。もともと野菜は大嫌いだったんですけどね(笑)」

 幼少のころから芸能界で活躍し、食事といえば仕事の合間にインスタントやファストフードでしのぐ日々。酒好きでも知られ、酒豪伝説は数知れず。長年の暴飲暴食がたたり、40歳ころには体重が70キロ近くに達していた。加えて喘息(ぜんそく)持ちで身体が弱く、30代で子宮筋腫を患うなど、健康面の不安要素も多く抱えていた。

「このままだと本当に身体を壊してしまう。危機感を覚え、取り組んだのがデトックスダイエット。オーガニック野菜を中心に身体にいいものをとり入れ、同時に悪いものをどんどん排除していきました」

 食生活を徹底して見直し、マイナス12キロの減量に成功。体脂肪は8%落ち、血糖値も下がり、糖尿病予備軍からも脱出した。

「何より変わったのは性格で、オーガニックに切り替えてから、柔らかくなったと言われます。私自身、笑顔が増えたのを感じています」

40代に入り自然農法に興味を抱くように。神奈川県の湘南に住み、畑で農作物を育てるようにもなった
40代に入り自然農法に興味を抱くように。神奈川県の湘南に住み、畑で農作物を育てるようにもなった
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 オーガニック野菜をより深く追究しようと、畑に通い栽培法を学んだ。そこでたどり着いたのが自然農。

 土を耕さず、自然に寄り添う農法で、化学肥料や農薬を避け、人間の手を極力加えずできた作物をありのまま享受する。その生命力に魅せられ、「食べるだけでなく自分で作ろう」と決意。家族とともに湘南へ移住し、自ら作物を育て始めた。

「30種類くらい種をまいたら、わさわさたくさん野菜がなって。最初にキュウリができたときは本当に感動しましたね。収穫するのがもったいなくて、そのままにしていたら大きくなりすぎてしまい、しばらくそれを仏壇に飾っていました(笑)」

 野菜嫌いを克服し、オーガニック生活で心身共に健康を手に入れた。その実感を口にする。

「普段の食生活が良いせいか、本当に丈夫になりました。数年前仕事で南米に行ったとき致死率30%という感染症にかかったけれど、それでも無事生還することができて。やはり免疫力が高くなっているのかもしれません。夫も毎日野菜料理を食べています。オーガニック野菜ってうまみがすごくあるので、もうほかは食べられないと言っています(笑)」

 2013年に再婚。お相手は6歳年下の一般男性で、そこでまた生活が大きく変化したと話す。

「ずっと母と妹の家族3人であちこち転々としながら遊牧民みたいに暮らしてきました。でも会社員の夫は決まった時間に起き、同じ場所へ働きに行き、またきちんと同じような時間に帰ってくる。“普通の生活”というものを初めて知りました」

 朝は夫とともに6時に起床し、お茶を淹(い)れ、NHK Eテレのテレビ体操を見ながら身体を動かすこと10分間。その後朝食を用意し、出勤する夫を見送るまでが毎朝のルーティン。

「出がけの夫に“今日も可愛いですか?”と聞くのがお約束。遅れそうで駅まで送ってほしいときは“今日は超可愛いです!”と返ってきて、送らなくても大丈夫というときは“今日はそうでもない”と言われます(笑)」

 家事を片づけ、午後3時には夕食の支度に取りかかる。野菜料理を中心に、8時に帰宅する夫のため腕を振るう。

「再婚するまで料理をまったくしてこなかったので、50歳からのスタートでした。今年はゆで卵、その前は梅干しと、毎年目標を設けてひとつひとつクリアしています。小さな目標ではあるけれど、達成するとやっぱりうれしくて。再婚して10年がたち、できることもだいぶ増えました(笑)」