一方、ヌートバー選手の招集が発表された時から、否定的な意見を述べていたのが高橋氏である。同氏は現役時代、読売ジャイアンツで活躍した後、メジャーに移籍。ニューヨーク・メッツ、ロサンゼルス・エンゼルス、ピッツバーグ・パイレーツ、シカゴ・カブスを経て、マイナーリーグのコロラドスプリングス所属後はメジャー復帰を果たせず、2014〜15年に所属した横浜DeNAベイスターズで現役引退を発表した。

「認めてないの俺だけかな?」

 現在、高橋氏は野球解説や評論の仕事をしたり、YouTubeチャンネル「高橋尚成のHISAちゃん」を更新している。今年1月6日に侍ジャパンメンバーが先行発表され、同26日に登録予定選手30人が明らかに。

 高橋氏は同日公開の動画で、ヌートバー選手の招集について「サプライズの選出ですごく良かったんじゃないかな」としつつ「正直、僕は“必要があるのかなぁ”というような選手」「選手自体としては、決して選ばれるような選手ではないと僕は思っています。日本の外野手のほうがもっといい選手、僕はいると思います」などと述べていた。

 しかしその後、侍ジャパンはヌートバー選手の歓迎ムードを盛り上げ、野球ファンも“たっちゃんフィーバー”のような雰囲気に。今月6日、侍ジャパンと阪神タイガースの強化試合でヌートバー選手の応援歌が使用された際も、ネットユーザーは「応援歌ができて本当によかった」「しっかり覚えて歌うぞー!」などと大はしゃぎしていた。

WBCの日本代表に就任した栗山英樹監督と握手する大谷翔平
WBCの日本代表に就任した栗山英樹監督と握手する大谷翔平
【写真】「選ばれる選手ではない」炎上した高橋尚成氏の“ヌートバー不要論”

「ヌートバー選手のコールは『タツジ』に決まり、この“侍デビュー戦”を見守ったスタンドからもタツジコールが響き渡りました。そんな中でも、高橋氏は3月7日公開の動画で『(スタンドのタツジコールは)ファンの方たちが認めてるっていうことだと思いますし。“認めてないの俺だけかな?”っていう感じですかね』と発言。一応、『認めてないわけじゃなくてね』とフォローしてはいましたが、せっかくの盛り上がりに水を差している感じは否めませんでした」(スポーツライター)

 そして日本初戦では、ヌートバー選手が1番・中堅で先発し、いきなりチーム初安打を放ち出塁。その後、押し出しで先制点のホームを踏んだのもヌートバー選手で、そのほか7回で盗塁を成功させたり、3回守備ではスライディングによる“スーパーキャッチ”を決めたりと、会場を大いに沸かせた。