まだまだ続く!? 電気料金値上げ

「これまでなら家電メーカーは消費者に負担を転嫁しなかった。でも今後はわからない。今までは企業努力で値上げをしなかったが、いろいろな業種がもう限界だといって上げ始めている。特に今は値上げの機運が高まっているので、値上げしやすいというのはある」(坂口さん)

 電気代高騰のイメージはあるものの、現在は政府の価格激変緩和対策が敷かれ、実際に支払う電気代は補助金を引いた額となっている。補助金は1kWhあたり7円。しかし、それも今年の9月末までと実施期間が定められている。

「燃料の国際相場が一時期急騰し、2年前の水準と比べると倍近くになっている。ロシアとウクライナの戦争もまだ終結が見えず、そうなると今のところ電気代が下がる要素がない。

 あまりにも価格が高い状態が続くようであれば、政府も補助金の支給を延長する可能性はあるけれど、今のところは何ともいえない状況です」(和田さん)

 坂口さんも、

「政府の補助が追加されるかどうかはまだ今の段階では何ともいえない。企業も9月までは政府の補助が投入され、電気代の負担もやや抑えられてはいるけれど、それ以降どうなるかは予測できない」

 と言い、先行きの見えない状況と口をそろえる。

 はたして秋以降の電気料金の行方は?まずは各家庭でできることから対策し、この夏を賢く乗り切りたい。

(取材・文/小野寺悦子)