目次
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ー 休めない医者が頼るカテキンの感染予防効果
Page 2
ー 喉裏を意識して10秒うがい
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ー 集団生活をしている人や高齢者に特におすすめ

 夏休み明けの9月には新型コロナとインフルエンザが同時流行。現在も日本全国で学級閉鎖が相次いでいる。

休めない医者が頼るカテキンの感染予防効果

「酷暑が続いたために体力や抵抗力が落ちたり、人に接する機会が増えたりすると、新型コロナや風邪、インフルエンザなどに次々と罹(かか)ってしまい、症状が長引くことも。寒くなってくればさらに感染症に罹りやすくなるのでしっかり予防をしてほしいです」

 そう話すのは内科医の伊藤大介先生だ。

「新型コロナが感染拡大中のときは、『お茶うがい』を習慣にしていました。病院ではペットボトルの緑茶でやっていましたが、今まで新型コロナには罹っていないので予防効果は期待できると思います」(伊藤先生、以下同)

 クリニックに通う患者にも「お茶うがい」をすすめているそう。「お茶うがい」は昔から風邪予防にいいとされ、“おばあちゃんの知恵袋”的な民間療法の印象が強い。だがお茶の渋み成分である「カテキン」の科学的効果は1990年代から注目されていた。

※写真はイメージです
※写真はイメージです

 カテキンは茶の木から作られる緑茶や紅茶、ウーロン茶、プアール茶などに含まれる主要な機能性成分だ。抗酸化作用のあるポリフェノールの一種で、お茶の渋みや苦味のもとになる。

「そのカテキンに関する研究が新型コロナの蔓延によって一気に増えたのです」

 例えば、緑茶のカテキンが、インフルエンザA型、B型ウイルスの感染力を最小限に抑えるという論文や、茶カテキンが免疫細胞の「CD4+T細胞」や「ナチュラルキラー(NK)細胞」を活性化させるなどの研究発表があった。

「また、唾液中のウイルスが茶カテキン類によって不活化する効果が期待できるといった研究報告もありました。これは飛沫感染の予防にも役立つことを示しています」

「お茶うがい」のやり方 イラスト/ふるやますみ
「お茶うがい」のやり方 イラスト/ふるやますみ

『お茶うがい』のやり方
 少量のお茶を口に含んで吐き出す(2回程度)。
 次に、喉の奥までお茶を入れるようにして10~20秒間、ガラガラする。緑茶以外に紅茶やウーロン茶など、ペットボトル飲料でもOK。