抗がん剤治療をしていたころ。手術や入院費以外に、検査費用、通院の交通費、ウィッグ代、がんと診断されて必要なものをそろえるとお金がかかり、がん保険に入っていて良かったと感じた
抗がん剤治療をしていたころ。手術や入院費以外に、検査費用、通院の交通費、ウィッグ代、がんと診断されて必要なものをそろえるとお金がかかり、がん保険に入っていて良かったと感じた
【写真】最後の抗がん剤治療後からの経過の様子

 初期症状が現れない“サイレントキラー”とも呼ばれる卵巣がん。沈黙の臓器を守る術として、婦人科受診の大切さを呼びかける。

違和感を感じたら早めに婦人科に行ってほしい

「卵巣がんは女性のがんの中で早期発見が難しく、確定診断がつきにくいことを、身をもって知りました。残念ながら一般的ながん検診では、今はまだ卵巣がんは見つかりません。私のように生理で異常があったり、痛みや違和感があるなど、体調不良を感じたら、ちょっと大げさだと言われてもいいので、早めに婦人科に行ってほしいです」

 さくらさんが大事にしたいと思うのは、「より後悔を少なく生きること」と話す。

「人生はいつ何があってもおかしくない。だからやり残したり、後悔したりすることをなるべく減らして、笑って過ごせる時間を増やしたいです。

 がんになって身体的な制限は増えましたが、人生の中でチャンスと思える瞬間があれば、失敗してもいいからチャレンジしたいと思っています。今は、夫と一緒に訪れていた沖縄に短期移住することを目標に生きています」

取材・文/釼持陽子

さくらさん 卵巣がん・肺がんサバイバー。42歳のときにがんと判明する。YouTubeチャンネル『卵巣がんさくら』で体験をもとに情報を発信し、がん患者や医師とのコラボライブも行う。29歳・46歳のときに、2人の夫とのがん死別を経験。