2021年の主演作『モンタナの目撃者』は、コロナ禍とはいえ世界興収わずか1900万ドルで、話題にもならなかった。同じ年の秋には『エターナルズ』に出演するも、これまた全世界興収4億ドルと、マーベル作品の中では芳しくない結果に。これは今年の『マーベルズ』、2008年の『インクレディブル・ハルク』に次ぎ、マーベル史上で下から3番目の成績だ。以後、これまでに彼女の出演作は1本も公開されていない。

 対して、ピットは離婚申請された後の2019年に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でアカデミー賞助演男優賞を受賞し、プロデューサーとしても『ミナリ』などの作品を成功させている。

 ジョリーのほうは、慈善活動には相変わらずたずさわっており、「Time」に記事を寄稿したり、アムネスティ・インターナショナルと本を共著したりしている。また、近年監督業に力を入れてきたジョリーは、最近、『Without Blood』を撮り終えてもいる。しかし、選ぶ題材が地味なせいもあるが、監督としての彼女は決してヒットメーカーとは言えない。

 ピットと結婚していた頃にふたりで共演した『白い帽子の女』は、このスーパーカップルが出演するというのに、1000万ドルの予算に対し北米興収はわずか9万6000ドルと、悲惨な結果に終わった。

『Without Blood』の撮影現場では、長男マドックス君と次男パックス君も仕事をしたが、マドックス君は、生まれ故郷であるカンボジアで撮影されたひとつ前の監督作『最初に父が殺された』の現場でも働いている。

ピットは離婚後も歩み寄りの姿勢を見せたが…

 離婚申請された1年後に公開されたその映画のことを、ピットは当時、インタビューで「とても良い作品」だと誉め、元妻と息子へサポートする姿勢を見せた。また、ピットは、ジョリーが子供たちと住む家を買おうとした時、800万ドルを貸してあげてもいる。自分に悪いところがあったことも公に認めたし、酒もきっぱりやめた。

 しかし、ジョリーのほうは、そんな元夫の歩み寄りに応じるつもりはまるでない。それどころか、ピットについて悪口を公言し続けてきている。別居して以来、養育費を満足に払っていないと公に責めたし(ピット側はこれに対し強く反論している)、自分が過去にセクハラを受けたと知っていながら、ピットがハーベイ・ワインスタインと仕事をすることを選んだ時のことを振り返って「とても傷ついた。悲しかった」とメディアに語ったりしている(ピットは、ジョリーとカップルだった間にワインスタインが配給する『イングロリアス・バスターズ』『ジャッキー・コーガン』に出演している)。