悲しい記憶も脳活には大切

 書き出した手帳から、2週間ごとに“一番うれしかったこと”“一番悲しかったこと”と感情を振り返ることも効果があるそう。

うれしかったことや悲しかったことなどを、少し時間を置いた1日後に振り返ることで、それが起きたときの感情や行動を客観的に分析することができます。“こう思ったのがいい結果を生んだ”“こう思ったのがよくなかった”等々ですね。

 それらを基に、“よし、だったら明日はこういう1日にしよう!”“こう生きたらもっと楽しくなるはずだ”など、いい方向性の情動を持って眠りについていただきたい。こうすることで、翌日への明るい展望や何かにトライする行動力の向上を狙っています」

 楽しかったことだけでなく、悲しいことを思い出すことにも、実は大きな意味がある。

喜怒哀楽すべての活動をきちんと発動させないと、脳の活動は鈍ります。悲しいことがあったときにはそれに浸ることも、脳には大切。ちなみに泣くことは脳の浄化にとてもいい。嫌な感情が一掃されて、気分がとてもすっきりします

 この感情の振り返りは実施した人からも好評で、

《一番好きなコーナーは“一番うれしかったこと”の記入欄。楽しかったことを思い出すのはとっても楽しい》(82歳女性)との声も。

 大切なのは楽しかったこと、悲しかったことを振り返ることで、“あれをしたら楽しそう”“これで失敗したから今度はこうしてみよう”と意欲的な行動が促されることでもある。

テレビを見ながら独り言を言うのも脳にはいい。周囲を気にしつつやってみよう ※写真はイメージです
テレビを見ながら独り言を言うのも脳にはいい。周囲を気にしつつやってみよう ※写真はイメージです