旧事務所の“協力”は

 メンバーそれぞれの事情もあるのだが、環境の大きな変化の1つに、自分たちを育ててくれた事務所が消滅してしまったことがある。それによって『嵐』がグループとして活動することが物理的に難しくなっていることも考えられる、というのは大手芸能プロの幹部。

「いま、彼らがグループで出演できるようなテレビの音楽番組は数えるほどしかありません。嵐として活動するとなると、ライブやコンサートしか考えられないのですが、そうなると大変な手間がかかるのはご存じのとおりです。特にツアーとなると、その労力は莫大です。これまでは、すべて旧ジャニーズ事務所が仕切ってくれていましたが、いま彼らは独立して個人事務所ですから、すべて自分たちでやらなければなりません。業務提携している『STARTO』社に依頼することも考えられますが、どちらにしろ、ジャニーズ事務所でやっていたようなコンサートツアーをプロデュースできるだけの人材がいるのかどうか……」

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 グループ活動が主体となるコンサート開催が今後は難しくなり、音楽活動ができなくなるのも“終了”を迎えた理由の1つではないかという。

 そして、それに伴って不安視されているのが、最後のコンサートツアーが思うような形で実現できるかどうかということ。

「さすがに中止ということはないでしょうが、現在の体制でファンが満足できるクオリティのコンサートができるのか、業界内で心配する声があるのは確かです。そのため、プロデュース能力に長けているといわれた滝沢秀明さんや堂本光一さん、あるいは旧事務所のスタッフに力を借りるのではないかという話も出てきています」(同・大手芸能プロ幹部)

 旧ジャニーズが力を貸すとなれば、これほど力強いことはないだろう。ファンの期待を背負って、最後まで無事に駆け抜けることができるか――。