歓迎ムードかと思いきや
雅子さまは5月下旬、1泊2日の日程で埼玉県へ足を運ばれる予定だったが、体調不良で急きょお取りやめに。沖縄行きも危ぶまれていたものの、無事回復され、ご一家おそろいでの訪問が叶った。
そして、愛子さまにとっては初めての沖縄ということもあり、現地は歓迎ムードに包まれたという。
「滞在初日、ご一家が宿泊された那覇市内のホテル周辺には約5000人もの地元住民が集まり、『提灯奉迎』が行われました。これは両陛下が来県された際の恒例行事で、明かりをともした提灯を振り、歓迎の意を表するのです。地元の歓迎に応えるように、お三方がホテルの室内で窓際に立って提灯を振り返されると、大歓声が上がりました」(前出・皇室担当記者、以下同)
一方で今回の滞在中、背筋が凍る事態も起こっていた。
「2日目、ご一家が対馬丸記念館をご訪問中、その近くで“天皇制反対”“天皇は帰れ”と叫ぶ男が、警護にあたっていた警察官に暴行を加え、逮捕されたのです。警備は厳戒態勢が敷かれていたものの、一歩間違えれば取り返しのつかないことになっていたでしょう」
かつての皇室の方々による沖縄訪問は、今以上に危険がつきまとうものだった。皇室と沖縄の歴史について、宮内庁OBの山下晋司さんは次のように解説する。
「昭和天皇は戦後の全国巡幸で各地を訪問されましたが、米国の施政権下にあった沖縄だけは訪問できませんでした。本土復帰後、訪問を強く望まれましたが、県民が天皇に対して複雑な思いを抱えていたことなどから、実現には時間がかかりました。1987年の国体が沖縄開催だったためご訪問が決定したのですが、ご病気のため実現しませんでした」