冷蔵庫の余り物でメニューを考えるのも得意だ。
「買い物は冷蔵庫が空っぽになるまでしないんです。人間って困ると知恵が働くので、新しいメニューのアイデアが湧いてきます」
散歩は歩くことが目的になると続かない
そんなひらめきから、野菜の切れっ端も、オリジナルのキーマカレーやミネストローネ、かき揚げなどに生まれ変わってきた。
「家で気分よく過ごせる素敵な服があるといいな」と、服作りを始め、今では手作り服の工房を持つ信田さん。
「服の多くはサイズフリー。主にコットンやリネン、ウールなどの天然素材の生地をたっぷりと使い、ウエストは伸縮性のあるゴムで仕上げています」
と、やはりいちばんに着心地を大切にしている。また、部屋の片づけを習慣にし、心地よい住まいの環境を整えている。
「庭が一望できるリビングが朝の特等席。でも、目の前のテーブルが散らかっていたら台無しになってしまうでしょ。だから、就寝前に使ったものを収納場所に戻し、片づける習慣がつきました」
服作りのアトリエも一日の終わりには生地や裁縫道具を元の場所に戻しておき、一週間に1度くらい収納棚の中を整理する。
「朝起きたら、家中の窓を開けて換気します。せっかくの景色を隠すのはもったいないので、窓にはカーテンをつけていません。その分汚れが丸見えになってしまうので、マメに窓を拭きます」
窓拭きで使うのは雑巾だけ。水拭きしたあと乾いた雑巾で拭き上げる。
「腰に持病があり、しゃがんでする作業はつらいので立ったまま。洗剤は最初からは用意せず、汚れが落ちなければ使います。汚れに気づいたとき、身軽に掃除ができるフットワークの軽さを大事にしています」
年齢を重ねるとともに低下する体力。信田さんは、毎日の散歩とスクワットやかかと落としなどの運動で、筋力づくりに努めている。
「散歩は歩くことが目的になると続かないので“お土産”を探しにいくつもりで」
お土産とは、四季の草花や木の枝のこと。摘んできた草花は空き瓶や籠に活けたり押し花に。拾った木の枝は、適当に長さをカットして刺しゅう糸を巻いてブローチとなり、暮らしに彩りを添える。