薄い唇の美人といえば広末涼子

――薄い唇のままが好きという方もいますよね? 広末涼子さんや桐谷美玲さんなんかも薄い唇の美人!

呂院長「そうですね。薄い唇が“知的で好き”という方もいらっしゃいます。これは完全に好みの問題です。とはいえ、唇が薄くなってくると年齢も出やすいので、ナチュラルな補正としてヒアルロン酸を使うことはあります」

――唇の色に関して、アートメイクを希望する方もいるといいます。これはどう見られていますか?

呂院長「アートメークに関しては僕の領域ではありませんが、個人的には、色はあまり入れない方がいいと思っています。唇の範囲を超えたオーバーリップにしなければあまり問題はありませんが、変色してしまうことがありますし、レーザーを当てるとその部分だけが不自然に残ってしまうこともある。時代の流行が変わったときに、入れた色が“昔の口紅”のように見えてしまう可能性があるんです。色や光沢感は、メークである程度カバー出来るのではないでしょうか。」

――確かに、K-POPアーティストたちはリップなどで光沢感を出し、唇の印象を際立たせています。BTSなどの男性もそうです。ちなみに男性のリップ整形もじわじわ増えています?

呂院長「男性の場合は、極端に厚くすることはありませんが、唇の輪郭を整えることで清潔感が出ますよね。ツヤやハリがあると“セクシー”というより、“知性”や“落ち着き”を感じさせますし。でも、彼らは元々が厚いわけではなく、やっぱりメークで上手に演出している印象です。日本で言えば木村拓哉さんの唇は、顔全体のバランスに非常によく合っていて理想的ですね」

――やっぱり木村さんなんですね。呂先生ご自身の考える“理想の唇”とは、どんな形でしょうか?

呂院長「女性ですよね? 一言で言えば、“顔とのバランスが取れていること”です。
下唇が極端に薄かったり、上唇だけが浮いてしまっていると、どうしても顔全体が不安定に見えます

 例えば、BLACKPINKのロゼさんのように、下唇にもほどよく厚みがあり、上唇とのバランスがとれている方は理想的ですね。平子理沙さんも、昔の写真ではごく自然にそうしたバランスで整っていますね。

――時代が求める唇は、“完璧”でも、“派手”でもないってことですね。

呂院長「年齢とともに唇のハリがなくなり、縦ジワも出やすくなります。ヒアルロン酸を使えば、バーミリオンボーダー(唇の縁)を整えるだけでも印象は大きく変わりますが、あまりやりすぎず、その人自身が自然に持っている“ゆらぎ”の中にこそ、いま最もリアルな美しさが宿っていると思いますよ」

今回お話を伺ったのは……
呂 秀彦(ロ ヒデヒコ)先生。美容外科・形成外科 R.O.clinic(アールオークリニック)院長。日本形成外科学会専門医。医学博士。昭和大学形成外科兼任講師。順天堂医学部卒業後、昭和大学形成外科・美容外科、大手美容クリニックを経て2020年R.O.clinic開院。
患者一人ひとりに真心と誠意を持って、丁寧なカウンセリングとオーダーメイドの治療が好評。日本形成外科学会、日本美容外科学会(JSAPS)に所属。